海外ジャーナルクラブ
6日前

Foxらは、 近年の治療の進歩を受け、 高齢の転移性非小細胞肺癌 (mNSCLC) 患者に対する治療実施率の実態と、 治療実施の関連因子を明らかにするため、 米国の25万人超の大規模レジストリーを用いたコホート研究を実施した。 その結果、 全身治療実施率は46.8%であり、 実施率の2006年から2021年にかけての増加はわずかであった。 治療実施には、 腫瘍専門医への紹介が関連していた (HR 2.5 [95%CI 2.41-2.67、 p<0.001])。 また、 バイオマーカー検査あり、 69歳以下、 組織型が腺癌と診断されている患者ほど治療につながりやすかった。 試験結果はJAMA Oncol誌に発表された。
対象は65歳以上のMedicare加入者に限定されているため、 若年患者や米国外集団への一般化には限界があります。
転移性非小細胞肺癌 (mNSCLC) は死亡リスクが高く、 肺癌新規症例の約半数を占めるが、 近年では有効性・安全性に優れた治療法も登場している。 しかし、 mNSCLCに対する集団レベルでの治療実態は十分に明らかにされていない。
本研究では、 mNSCLCに対する治療実施率、 その経時的推移、 および治療実施に関連する因子を明らかにする。
本集団ベース研究では、 米国国立癌研究所 (NCI) の癌登録データベースSurveillance Epidemiology and End Results (SEER) とMedicare請求データの連結データを用いた。 解析対象は、 2006年1月~2021年12月にmNSCLCと診断された65歳以上の患者とした。
曝露因子は、 社会人口学的因子、 併存疾患負担、 組織型、 専門医への紹介、 Medicare Part D (外来処方薬給付) 加入、 およびバイオマーカー検査とした。
主要評価項目は全身治療の実施とし、 治療実施に関連する因子を統計学的に解析した。
mNSCLC患者25万4,611例 (白人80.7%) のうち、 全身治療を受けた患者割合は46.8%であり、 その割合は2006年から2021年にかけてわずかに増加したに留まった。
治療実施率は、 90日超生存した患者で多かった。
治療実施率
治療実施には、 腫瘍専門医への紹介が関連していた (HR 2.5 [95%CI 2.41-2.67、 p<0.001])。 また、 バイオマーカー検査の有無、 年齢、 組織型が治療実施に影響していた。
180日時点の治療累積発生率 (CIF180)
その他に、 併存疾患、 婚姻状況、 Medicare加入状況、 農村居住、 人種・民族も治療実施率の有意な差と関連したが、 その差は小さかった。
著者らは、 「高齢のmNSCLC患者の約半数は全身治療を受けておらず、 治療実施率の経時的改善もごくわずかであった。 臨床条件が良好な患者でも、 約2割は全身治療を受けていなかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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