海外ジャーナルクラブ
12日前
Badrosらは、 新規診断多発性骨髄腫 (NDMM) を対象に、 移植後維持療法としての抗CD38抗体ダラツムマブ+レナリドミド (D-R) 併用療法の有効性および安全性について、 レナリドミド単独療法 (R) を対照に、 第Ⅲ相無作為化比較試験AURIGAで検証した。 その結果、 D-R療法はR療法に比べ、 MRD陰性化率およびPFSを改善した。 本研究はBlood誌にて発表された。
D-R療法はR単独療法より副作用の発生率が高いです。 また、 全生存期間を延長させるかどうかは不明です。
新規診断NDMMの移植後維持療法において、 ダラツムマブ+レナリドミド併用療法と、 標準治療であるレナリドミド単独療法を直接比較した無作為化比較試験はこれまで行われていない。
移植後に部分奏効 (PR) 以上を達成し、 分子的残存病変 (MRD) が陽性で抗CD38抗体の治療歴がない新規診断多発性骨髄腫200例を、 D-R療法群99例、 R療法群101例に無作為に割り付け、 最大36サイクルまで各治療レジメンを投与した。
主要評価項目は、 治療開始から12ヵ月時点でのMRD陰性化 (閾値10⁻⁵) 率とした。 その他、 12ヵ月時点でのMRD陰性化 (10⁻⁶) 率、 追跡期間全体でのMRD陰性化 (10⁻⁵) 率、 CR率、 無増悪生存期間 (PFS)、 安全性も評価された。
主要評価項目である治療開始から12ヵ月時点におけるMRD陰性化 (10⁻⁵) 率は、 D-R群が50.5%で、 R群の18.8%に比べて、 有意に改善した(オッズ比 [OR] 4.51[95%CI 2.37-8.57]、 p<0.0001)。
12ヵ月時点でのMRD陰性化 (10⁻⁶) 率も、 D-R群が有意に高かった (23.2% vs 5.0%、 OR 5.97 [95%CI 2.15-16.58]、 p=0.0002)。
追跡期間中央値32.3ヵ月時点において、 全体のMRD陰性化 (10⁻⁵) 率はD-R群が60.6%、 R群が27.7% (OR 4.12 [95%CI 2.26-7.52]、 p<0.0001) であり、 CR以上の達成率はそれぞれ75.8%、 61.4% (OR 2.00 [95%CI 1.08-3.69]、 p=0.0255) であった。
PFSはR群に比べてD-R群が優れており (HR 0.53 [95%CI 0.29-0.97])、 推定30ヵ月PFS率はそれぞれ82.7%、 66.4%だった。
Grade3/4の細胞減少症はD-R群の54.2%、 R群の46.9%に発現した。 また、 Grade3/4の感染症発現率はそれぞれ18.8%、 13.3%と、 D-R群でわずかに高かった。
著者らは 「移植後の維持療法としてのD-R療法は、 R療法に比べ、 MRD陰性化率およびPFSを有意に改善した。 また、 安全性は管理可能であった」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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