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69日前

【研修医向け】救急外来での小児の評価方法、バイタルサインの正常範囲は? (大同病院小児科 久保田悠介先生)

2022年1月28日配信の人気記事再掲載

今回のポイント

  1. 第一印象は 「PAT」 で評価、 一次評価として 「ABCDEアプローチ」 を用いる!
  2. 小児のバイタルサインは年齢により異なるため、 正常範囲を把握しておく!
  3. バイタルサインは睡眠や啼泣により大きく変動するため、 正確に評価できてるかを常に意識する!
  4. バイタルサインが正常でも親や医療者が「何かおかしい」と感じたときには必ず原因検索をする!

ABCDEアプローチ

  • 第一印象を把握後、 バイタルサイン等を用いたABCDEアプローチで一次評価を行う.
  • 小児科診療で成人と大きく異なるのは、 患者の年齢によってこのバイタルサインの正常範囲が異なる点である. 呼吸数が40回の乳児と5歳児ではその評価が異なってくる.
  • 診療の中では常にその患者の年齢にあった正常範囲を意識することが必要. しかし、 啼泣などによるバイタルサインの変動も考慮する必要があるため、 正確な評価ができているかの確認が重要となる.
  • 以下、当院使用のバイタルサインを記載する.

🔢 小児のバイタルサイン (呼吸数・心拍数)

Canadian Pediatric Triage and Acuity Scale: Paed. CTAS改変

🔢 小児のバイタル (血圧)

Canadian Pediatric Triage and Acuity Scale: Paed. CTAS改変

Airwayの評価

胸部・腹部の動き呼吸音気流音を評価.

💡気道閉塞を見逃さない!

  • 陥没呼吸や吸気努力の増加、 異常な呼吸音、 努力呼吸があるにも関わらず呼吸音が聴取できない場合には 「気道閉塞」 を疑う.

Breathingの評価

呼吸数呼吸パターン酸素飽和度を確認. 呼吸努力の有無や呼吸音も評価.

💡 呼吸数は30秒以上観察!

  • 評価方法は30秒間の呼吸数×2倍が一般的. これは睡眠時に10~15秒の休止を伴う不規則な呼吸がみられることがあり、 30秒未満では計測が不正確となる可能性があるため.
  • 極端な呼吸数増減が持続する場合は異常な可能性が高い. ベースラインの呼吸数は不安興奮疼痛発熱などによっても増加するため、 それらの影響も加味し評価する.

Circulationの評価

心拍数リズム脈拍毛細血管再充満時間(CRT)皮膚色血圧などを評価.

💡小児の血圧・脈拍測定とマンシェット

  • 脈拍は大腿動脈や腋窩動脈、 橈骨動脈の他に、乳児では上腕動脈も触れられる.
  • 血圧測定の時にはマンシェットのサイズが相応しいかも確認する.
  • 心拍数は睡眠時には覚醒時よりも低下しているので注意が必要.

Disabilityの評価

意識レベルTICLESなどを用い評価する. 意識レベルはGCSAVPUで評価する.

🔢 GCS (小児・乳児)

🔢 AVPU小児反応スケール

🔢 TICLES

Exposure 全身観察

小児は特に全身をくまなく観察することが重要. 点状出血紫斑発疹を確認する.

💡虐待を見逃さない

  • 外傷の場合は不自然なあざ病歴と相関しない外傷がないかも確認する.
  • 上記の評価を繰り返しながら焦点を絞り、 二次評価へと進んでいく.

最後に

今回バイタルサインについてまとめたが、正常なバイタルサインの範囲内であれば、必ず正常というわけではない. 親や医療者が 「何かおかしい (Not doing well)」 と感じた時には必ず精査すること、 そして原因検索を怠らないことが重要である.


大同病院小児科について

新生児から思春期、 急性期から慢性期、 救急医療から在宅医療まで、 充実した指導体制と県内市中病院トップクラスの豊富な症例経験により、 "子どもたちの総合医"育成を行います. 今までも、 そしてこれからも、 どんな子にも、 どんなときも、 私たちは決して“できない”と言いません.


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こちらの記事の監修医師
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聖路加国際病院 救急部 清水真人先生
聖路加国際病院
救急部 清水真人先生

2013年慶應義塾大学医学部を卒業。初期臨床研修修了後、2015年聖路加国際病院救急部入局。就任間もなく聖路加ベストティーチャー賞を連続受賞。救急・集中治療、 医学教育を専門とする他、Webツールの医療現場での利用に精通し、 複数の雑誌で連載を行う。

聖路加国際病院 救急部 清水真人先生
聖路加国際病院
救急部 清水真人先生

2013年慶應義塾大学医学部を卒業。初期臨床研修修了後、2015年聖路加国際病院救急部入局。就任間もなく聖路加ベストティーチャー賞を連続受賞。救急・集中治療、 医学教育を専門とする他、Webツールの医療現場での利用に精通し、 複数の雑誌で連載を行う。

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