【NEJM】CD19 CAR-Tは自己免疫疾患にも有効かつ安全
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海外ジャーナルクラブ

1ヶ月前

【NEJM】CD19 CAR-Tは自己免疫疾患にも有効かつ安全

【NEJM】CD19 CAR-Tは自己免疫疾患にも有効かつ安全
Müller氏らは、 全身性エリテマトーデス (SLE)、 特発性炎症性筋疾患 (IIM)、 全身性強皮症 (SSc) の患者を対象に、 CD19標的キメラ抗原受容体発現T細胞 (CAR-T) 療法の有効性および安全性について、 症例集積研究で検討した。 その結果、 同治療法は3つの異なる自己免疫疾患において実行可能であり、 安全かつ有効であることが明らかになった。 本研究はNEJM誌において発表された。

📘原著論文

CD19 CAR T-Cell Therapy in Autoimmune Disease - A Case Series with Follow-up. N Engl J Med. 2024 Feb 22;390(8):687-700. PMID: 38381673

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

血液疾患で取り入れらているCAR-T療法を自己免疫疾患に応用し、 2年間の期間で有効性と安全性が15例の対象患者で確認されています。 今後他の自己免疫疾患にも幅広く応用されていく可能性があります。

🔢関連コンテンツ

CAR-HEMATOTOX スコア

CAR-T関連の血液毒性の評価

ICEスコア / ICANSの重症度判定基準

免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群の重症度分類 (成人)

ACR-EULARの診断基準 (2010)

SELENA-SLEDAI

全身性エリテマトーデスの疾患活動性指標

全身性強皮症の診断基準・重症度分類


免疫抑制薬の長期投与が課題に

SLE、 IIM、 SScなどの自己免疫疾患の治療では免疫抑制薬の長期投与が行われることが多い。 患者の自己免疫の異常をリセットすることは、 薬剤中止後の寛解維持 (drug free寛解) を達成するための戦略である。

CAR-T療法における症例集積研究

3種の自己免疫疾患患者が対象

重症のSLE、 IIM、 SSc患者 : 計15例

順に8例、 3例、 4例

CAR-Tの単回注入後に有効性を評価

フルダラビンおよびシクロホスファミドによる前処置後、 CAR-Tの単回注入を実施し、 最長2年間の追跡で有効性を評価した。

活動性指標等から各疾患を評価

DORIS寛解基準、 ACR-EULAR主要臨床反応、 EUSTAR活動性指標などを用いた各疾患の評価

安全性の評価も実施

サイトカイン放出症候群や感染症を含む安全性

免疫抑制療法は全例で完全中止に

追跡期間中央値

15ヵ月 (範囲 4~29ヵ月)

B細胞無形成の平均持続期間

112日 (±47日)

いずれの疾患も寛解傾向が認められた

  • SLE : 全例がDORIS基準の寛解を達成した
  • 特発性炎症性筋疾患 : 全例がACR-EULAR基準の重要な臨床反応を示した
  • 全身性強皮症 : 全例でEUSTAR活動性指標スコアが低下した
  • 免疫抑制療法は全例で完全に中止された

治療は安全に実施可能

サイトカイン放出症候群 (Grade1 : 10例、 Grade2 : 1例)、 免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群 (Grade1 : 1例)、 入院に至る肺炎が各1例に発現した。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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