Zolbetuximab+CAPOXでClaudin18.2陽性胃がんの予後改善:第Ⅲ相GLOW
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HOKUTO編集部

11ヶ月前

Zolbetuximab+CAPOXでClaudin18.2陽性胃がんの予後改善:第Ⅲ相GLOW

2023/3/30 町田先生のコメントを追加
Zolbetuximab+CAPOXでClaudin18.2陽性胃がんの予後改善:第Ⅲ相GLOW

Zolbetuximabは、 アステラス製薬が開発中の、 膜貫通型タンパク質 Claudin 18.2 を標的として結合するモノクローナル抗体 (新規分子標的薬) ある。

2023年3月22日に開催されたASCO Plenary Seriesでは、 HER2陰性でClaudin18.2陽性の切除不能進行・再発胃がん/胃食道接合部がんを対象に、 CAPOX療法 (オキサリプラチン+カペシタビン) へのzolbetuximabの上乗せ効果を検証した国際二重盲検第Ⅲ相ランダム化比較試験GLOWの結果が報告。 同薬の上乗せにより、 無増悪生存期間 (PFS)、 全生存期間 (OS) がいずれも有意に延長したことが示された。

米・Weill Cornell Medicine/New York-Presbyterian HospitalのManish Shah氏が発表した。

mFOLFOX6への上乗せでPFS、 OSともに延長

今年 (2023年) 1月に開催された米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム (ASCO GI 2023) では、 HER2陰性でClaudin18.2陽性の切除不能進行・再発胃がん/胃食道接合部がんの一次治療におけるmFOLFOX6療法へのzolbetuximabの上乗せ効果を検証した、 第Ⅲ相ランダム化比較試験SPOTLIGHTの結果が報告。 zolbetuximabの上乗せにより、 PFS、 OSがいずれも有意に延長したことが示された。

結果

無増悪・死亡リスクを31%低減

今回新たに報告されたGLOW試験では、 HER2陰性でClaudin18.2陽性 (75%以上の腫瘍細胞でClaudin18.2が中〜強陽性と定義) の切除不能進行・再発胃がん/胃食道接合部がんを対象に、 CAPOX療法 (オキサリプラチン+カペシタビン) へのzolbetuximabの上乗せ効果が検証された。

【主要評価項目;PFS中央値 (95%CI) 】

  • CAPOX療法+zolbetuximab群 (254例) :8.21カ月 (7.46-8.84カ月)
  • CAPOX療法+プラセボ群 (253例) :6.80カ月 (6.14-8.08カ月)  

P=0.0007 HR 0.687 (0.544-0.866)

【主要副次評価項目;OS中央値 (95%CI) 】

  • CAPOX療法+zolbetuximab群:14.39カ月 (12.29-16.49カ月)
  • CAPOX療法+プラセボ群:12.16カ月 (10.28-13.67カ月)

P=0.0118 HR 0.771 (0.615-0.965)

PFS、 OSいずれにおいても、 CAPOX療法へのzolbetuximab上乗せにより、 有意な延長が認められた。 この効果はPFS、 OSのいずれのサブグループ解析においても一貫して認められた。

有害事象の発現については、 SPOTLIGHT試験の報告と同様であった。

神奈川県立がんセンター消化器内科(消化管)部長・町田望氏のコメント

GLOW試験は6割前後が中国からの登録

ASCO GI 2023で発表されたSPOTLIGHT試験では、Backbone chemotherapyがmFOLFOX6療法であったのに対し、GLOW試験ではCAPOX療法が用いられた。両者ともグローバル試験であるが、GLOW試験は6割前後が中国からの登録であった。

SPOTLIGHT試験結果公表の際に議論になったのが、過去に行われたグローバル試験と比較して、①無増悪生存期間中央値(mPFS)・全生存期間中央値(mOS)がともに長い傾向があった、②免疫チェックポイント阻害薬に類似した曲線のテールで両治療群の開きが認められた、③奏効割合の上乗せが認められなかった、④食道胃接合部における上乗せ効果に乏しかった−ことなどである。

SPOTLIGHTの結果に矛盾せずも、GLOWでは早期から差が出る結果に

GLOW試験は有効性・安全性ともにSPOTLIGHT試験の結果に矛盾しないものであった。

ただし両治療群の曲線の開き方はSPOTLIGHT試験と異なり、治療開始早期から差が出ており、従来試験で観察するものと同様であった。また対照群のmPFS・mOSも従来試験の結果と類似していた。

奏効割合の有意な上乗せは認めず、サブグループ解析にて食道胃接合部における有効性が乏しい点もSPOTLIGHT試験に類似した結果であった。

CLDN18.2は独立した予後因子?

CLDN18.2は独立した予後因子ではないと考えられており、SPOTLIGHT試験登録患者の予後が良好だった理由はわからない。むしろGLOW試験の数値のほうが妥当とも思える。

食道胃接合部における有効性の乏しさは、胃と分子病理学的背景が異なることが影響したのかもしれないが、例数の少ないサブグループ解析でもあることからzolbetuximabを使用しないとするのは早計である。今後公開されるであろうバイオマーカー解析の結果を待ちたい。

Zolbetuximab+CAPOXでClaudin18.2陽性胃がんの予後改善:第Ⅲ相GLOW

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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