海外ジャーナルクラブ
1年前
Wangらは、 滑膜炎を伴う手指変形性関節症の患者を対象に、 メトトレキサートの有効性と安全性を多施設二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験METHODSで検討した。 その結果、 6ヵ月間にわたるメトトレキサートの投与により、 中等度ながらも臨床的に意義を持つ疼痛の軽減効果が認められた。 本研究は、 Lancet誌において発表された。
本研究はメトトレキサート (20mg) の臨床効果は間違いないのですが、 同時に臨床研究におけるプラセボの重要性を示しています。 ある程度の臨床効果とともにメトトレキサート以上に消化器症状を呈しています。 このようにプラセボ効果は有効性、 安全性ともに呈することを認識しておく必要があります。
手指変形性関節症は、 有効な治療法がほとんどなく、 特に滑膜炎を伴う手指変形性関節症は、 炎症による疼痛が問題となる。
手指変形性関節症 (1つ以上の関節のKellgren and Lawrence分類のGrade 2以上) と診断され、 MRIでGrade 1以上の滑膜炎が認められた40~75歳の患者
患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付けた
intention-to-treat集団で評価した6ヵ月時点の疼痛軽減
6ヵ月時点のVASによる疼痛変化量の平均
補正後平均群間差:-9.9 mm (95%CI -19.3--0.6、 p=0.037)
効果量 (標準化平均差) :0.45 (95%CI 0.03-0.87)
有害事象
滑膜炎を伴う手指変形性関節症の患者に対し、 メトトレキサート20mgを6ヵ月間投与したところ、 中等度であったが臨床的に意義のある疼痛軽減効果が認められた。 炎症を伴う手指変形性関節症の管理においてメトトレキサートが有用である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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