「医療機関のダウンサイズで効率化された医療を目指す」横浜市立みなと赤十字病院・大川淳院長 (後編)
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20日前

「医療機関のダウンサイズで効率化された医療を目指す」横浜市立みなと赤十字病院・大川淳院長 (後編)

 「医療機関のダウンサイズで効率化された医療を目指す」横浜市立みなと赤十字病院・大川淳院長 (後編)
横浜市立みなと赤十字病院 (横浜市中区) の院長に2023年就任した大川淳氏は、  「地域全体で患者を支える」 を目標に掲げる。 その一環として地域全体で連携するICTシステム 「サルビアねっと」 への参入や、 院内搬入ロボットの導入などをはじめとした取り組みをおこない、 効率化した医療を目指す。 

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医療教育・医療安全の知識を学ぶ

――整形外科を選択した理由や、 横浜市立みなと赤十字病院の院長に就任したきっかけについてお聞かせください。

「私が大学を卒業した1982年当時は、 卒業後すぐに診療科を選ぶ時代でした。 もともと人体の機能に関心があり、 『身体を動かすことは健康の基本である』と考えていたため、 運動機能に深く関わる整形外科を選びました」

「その後は東京医科歯科大学で長く勤務し、 長野県の諏訪中央病院では地域医療にも携わりました。 大学に戻ってからは、 臨床研修制度の立ち上げ期に医学教育や医療安全を学びました。 これらの経験は、 現在の病院経営にもつながっています」

「定年後の2023年に、 横浜市立みなと赤十字病院の院長に就任しました。 私は横浜出身で、 大学入学まで横浜で暮らしていました。 土地勘があり、 知人や同窓とのつながりもあるため、 非常に動きやすい環境だと感じています」

人手不足の解消が地域への貢献に

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院内搬送ロボット まもるん・つなぐん

――横浜市立みなと赤十字病院では、 医療現場の効率化を狙った取り組みを進めているそうですね。

「2025年7月に院内搬送ロボット『まもるん・つなぐん」 を導入しました。 エレベータやセキュリティドアと連携し、 院内を垂直・水平に移動できるロボットです。 エレベーターや自動ドアもロボット自身で開け閉めができます」

「夜間にちょっとした業務で病棟から人が離れると、 ケアの質が落ちる可能性があります。 ロボットに指示を出せば薬剤を取りに行かせることも可能です。 これまで看護助手などが行っていた作業をロボットに任せることができるのは大きなメリットでしょう」

「大局的に考えれば、 搬送ロボットやサルビアねっとの導入を通じ、 地域全体で患者さんを支えることに繋がり、 1つ1つの医療機関がダウンサイズできるのではないかと考えています。 1つの医療機関で急性期から慢性期までカバーするのではなく、 患者さんがいくつかの施設を移動し、 それぞれの医療機関が持つ役割が明確化され、 本来の役割に特化できるはずです。 人手不足が深刻化するなかでも、 効率化された医療を提供できるのではと期待しています」

――経営面での課題や、 それを解消するために心がけていることを教えてください。

「当院はいわゆる公的病院なので、 不採算診療科を抱えざるを得ない背景があります。 そのため、 経営的には非常に厳しい状況です。 また昨今の物価高に伴い、 診療材料費や薬剤費の値上がりで、 診療報酬が追いつかないといった状況が昨年度までありました。 今年は診療報酬の改定により、 ある程度サポートが得られるので、 少しは改善するのではと思っています」

「『地域全体で患者さんを支える』という目標に向けて救急医療に特化することを考えた場合、 患者さんをよりスムーズに受け入れる環境づくりに取り組む必要性があると感じています。 そのエントリーポイントとして考えられるのは、 救急車です。 当院における昨年の稼働件数は1万2,000台を超えており、 これまで最も多い時には1万4,000台が稼働しました。 また、 2026年より『患者搬送サービス』も始めました。 こちらは地域の医療機関での受診時、 検査が必要なケースなどが生じた場合に医療機関側から当院に連絡いただければ、 救命救急士が向かうシステムです」

真の 「断らない救急」 を目指す

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救急外来

――今後の目標を教えてください。

「当院では『断らない救急』を掲げていますが、 まだ受け入れを断らざるを得ないケースがあります。 救急車の受け入れ率は95%を超えているものの、 診療所からの紹介では、 診療科の状況によって受け入れが難しかったり、 医師につなぐまで時間がかかったりすることもあります。 こうした課題を解消し、 真の『断らない救急』に近づけることが目標です」

「その一環として、 2026年からは地域の医療機関から連絡があった際、 総合診療科やウォークイン診療でまず対応できる体制に変えました。 また、 先述の『患者搬送サービス』も始めています。 救急車を呼ぶほどではないものの、 大きな病院で診てもらいたいという患者さんの不安を解消し、 より多くの患者さんを受け入れられる体制を整えていきたいと考えています」

「そのためにも、 当院の理念に共感してくれる若い医師、 特に総合診療科の医師を募集しています。 急性期医療、 特に救命救急医療に特化した当院では、 複数の疾患を急性期に総合的に診る医師が求められており、 そのニーズに対して医師の育成が追いついていない状況です。 『横浜の中核病院で新しい地域医療を提供する』という理念に共感していただける方からの応募をお待ちしています」

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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