【Lancet Haematol】Ph陽性ALL、 ポナチニブとブリナツモマブの併用が有効
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2年前

【Lancet Haematol】Ph陽性ALL、 ポナチニブとブリナツモマブの併用が有効

【Lancet Haematol】Ph陽性ALL、 ポナチニブとブリナツモマブの併用が有効
Jabbourらは、 新規診断または再発・難治性のPh陽性急性リンパ芽球性白血病 (ALL) 患者、 リンパ芽球期の慢性骨髄性白血病 (CML) 患者を対象に、 ポナチニブとブリナツモマブ併用の効果を単施設単群第Ⅱ相試験で検討。 その結果、 ポナチニブ+ブリナツモマブ併用療法は、 新規診断および再発・難治性の Ph陽性ALL患者において、 高い確率で分子遺伝学的完全寛解 (CML) が得られた。 本研究は、 Lancet Haematol誌において発表された。

📘原著論文

Ponatinib and blinatumomab for Philadelphia chromosome-positive acute lymphoblastic leukaemia: a US, single-centre, single-arm, phase 2 trial. Lancet Haematol. 2022 Nov 16;S2352-3026(22)00319-2.PMID: 36402146

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

長期アウトカムは不明ですが、 高い治療効果が証明されていることから単施設のsingle armのP2試験でLancet Haematol誌に採用されています。

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日本血液学会

背景

ポナチニブ+ブリナツモマブは、 Ph陽性ALLに対して有効な治療法であり、 その併用は有望な治療選択肢となる可能性がある。

研究デザイン

対象

新規診断または再発・難治性のPh陽性ALLまたはリンパ芽球期のCMLの18歳以上の患者

介入

ポナチニブ30mgを経口投与し、 ブリナツモマブ28μgを24時間かけて連続静注 (各サイクル28日間) し、 最大5サイクル42日間併用投与し、 その後ポナチニブ単剤療法を行った。 中枢神経系の予防として12回の髄腔内化学療法が行われた。

主要評価項目

新規診断ALL患者における分子的完全寛解、 および再発・難治性ALLまたはリンパ芽球期のCML患者における全奏効。

研究結果

評価対象

評価対象患者72名のうち60名 (83%) が登録され、 ポナチニブとブリナツモマブの投与を受けた。

  • 新規診断Ph陽性ALL: 67% (40名)
  • 再発・難治性Ph陽性ALL:23% (14名)
  • リンパ芽球期のCML:10% (6名)

追跡期間

追跡期間中央値:16カ月

主要評価項目

新規診断Ph陽性ALL患者のうち、 87% (38名中33名) が分子遺伝学的完全奏効を得た。

再発・難治性のPh陽性ALL患者13名のうち、 92% (12名) に全奏効が認められ、 79% (11名) で分子遺伝学的完全奏効が認められた。

リンパ芽球期のCML患者の83% (6名中5名) に全奏効が認められ、 33% (2名) に分子遺伝学的完全奏効が認められた。

安全性評価

5%以上の患者に発生した最も一般的なグレード3-4の有害事象

  • 感染症:37% (22名)
  • アミラーゼまたはリパーゼ濃度の上昇:8% (5名)
  • ALTまたはAST濃度の増加:7% (4名)
  • 疼痛:7% (4名)
  • 高血圧:7% (4名)

振戦のため2% (1名) の患者がブリナツモマブを中止した。

脳血管虚血、 門脈血栓症、 冠動脈狭窄のため5% (3名) の患者がポナチニブを中止した (各1名) 。

治療関連死は認められなかった。

結果の解釈

ポナチニブ+ブリナツモマブ併用療法は、 新規診断および再発・難治性の Ph 陽性ALL患者において、 高い確率で分子遺伝学的完全奏効が得られた。 新規診断のPh陽性ALL患者は、 化学療法に伴う毒性および初回反応時の同種造血幹細胞移植の必要性を免れる可能性がある。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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