海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前
Liuらは、 局所進行上咽頭癌を対象に、 化学放射線療法への抗PD-1抗体sintilimab上乗せの有効性および安全性について、 第Ⅲ相多施設共同非盲検並行群間無作為化比較試験CONTIUUMで検討した。 その結果、 sintilimab上乗せによる無イベント生存期間 (EFS) の改善が示された。 本研究はLancetにて発表された。
「Non-Asiaでの適応がlimitation」 と書いていますが、 中国9病院での研究成果のため中国外での一般化については全てlimitationと言えます。
再発または転移性上咽頭癌では、 抗PD-1抗体+化学療法が第一選択治療として推奨されている。 一方、 局所進行上咽頭癌における抗PD-1抗体の有益性は依然として不明である。
対象
18~65歳で新規診断された、 非転移性でStage III~IVaの局所進行上咽頭癌 (T3-4N0およびT3N1を除く) 患者 : 425例
介入
患者を以下の2群に1 : 1の割合で無作為に割り付けた。
- sintilimab群 : 210例
- 標準治療群 : 215例
主要評価項目
無作為化から病勢再発 (局所または遠隔) または全死因死亡までのEFS
副次評価項目
有害事象など
追跡期間中央値41.9ヵ月 (四分位範囲 38.0-44.8ヵ月)、 2023年2月28日の主要データカットオフ時点で389例が生存しており、 366例が36ヵ月以上の追跡調査を受けた。
EFS率
- sintilimab群 : 86% (95%CI 81-90%)
- 標準治療群 : 76% (同 70-81%)
層別HR 0.59 (95%CI 0.38-0.92)、 p=0.019
Grade3/4の有害事象発現率
- sintilimab群 : 74%
- 標準治療群 : 65%
多かった有害事象 (sintilimab群 vs 標準治療群)
- 口内炎 (33% vs 30%)
- 白血球減少 (26% vs 22%)
- 好中球減少 (24% vs 21%)
Grade3/4の免疫関連有害事象
Sintilimab群の10%に発現した。
死亡例
Sintilimab群の1% (2例)、 標準治療群の1%未満 (1例) に認められた。いずれも免疫関連と推測された。
著者らは 「局所進行上咽頭癌に対し、 標準化学放射線療法へのsintilimabの上乗せは有害事象を増加させたものの管理可能であり、 EFSの改善が示された。 本治療法が同疾患に対する標準治療として考慮できるかどうかを判断するためには、 より長期間の追跡が必要である」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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