海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前

Hanifらは、 レイノー現象 (RP) 以外の症状発現から5年以内の全身性強皮症 (SSc) 患者を登録した米国の2つの大規模コホート登録データを用いた二次解析で、 SScの初発症状の種類および抗核抗体 (ANA) プロファイルについて検討した。 その結果、 約30%超の患者が初発症状としてRPを伴わず、 RP以外の初発症状として手指の腫脹 (puffy fingers/hands) が最多であった。 また、 これらの患者ではびまん性皮膚病変・関節拘縮を有する可能性が高く、 抗RNAポリメラーゼⅢ抗体陽性率も高いことが示唆された。 本研究はArthritis Rheumatolにおいて発表された。
自己抗体データには欠測があり、 低頻度抗体では割合が過小評価されている可能性や、 抗体測定法がコホート間で異なり、 抗体価と初期症状との関連は検討できなかった点をlimitationとしています。
SScではRPが初発症状として頻繁にみられるが、 他の症状が先行して発現する患者も認められる。
そこで、 SScの初発症状の臨床的多様性について、 既存のコホート登録データを用いた二次解析で検討した。
RP以外の症状発現から5年以内のSSc患者を登録した米国の大規模コホートであるGENISOS (Genetics vs Environment in Scleroderma Outcomes Study、 439例) およびCONQUER (Collaborative National Quality and Efficacy Registry、 938例) の全患者データを用いて、 SScの初期症状およびANAプロファイルについて検討した。
GENISOSおよびCONQUERでは、 それぞれ44.2%、 31.1%がRP以外の初発症状を有しており、 手指の腫脹が最も多く認められた。
黒人患者は他の人種・民族カテゴリーと比べて、 RPに先行して非RP症状を発現する割合が多かった。
非RP初発患者は、 RP初発患者と比べて、 登録時にびまん性皮膚病変および関節拘縮を有する可能性が高く、 抗RNAポリメラーゼⅢ抗体陽性率も高かった。
著者らは 「米国の2つの大規模コホートにおいて、 30%超の患者が初発症状として『警告徴候』とされるRPを伴わず、 手指の腫脹やその他の症状でSScを発症していた。 これらの患者は平均してより重度の皮膚・筋骨格系病変を呈しており、 早期診断の重要性が示唆された。 この症状パターンに最も関連した自己抗体はRNAポリメラーゼⅢ抗体であった。 これらの結果は、 SScをより早期に診断する取り組みにおいて考慮されるべきであり、 RPが認められない場合でも手指の腫脹は早期SScを疑う契機となり、 ANAおよびRNAポリメラーゼⅢ抗体を含むSSc関連自己抗体検査を検討すべきである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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