【インタビュー】第63回日本癌治療学会会長・万代昌紀氏に聞く
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日本癌治療学会

6日前

【インタビュー】第63回日本癌治療学会会長・万代昌紀氏に聞く

【インタビュー】第63回日本癌治療学会会長・万代昌紀氏に聞く
第63回日本癌治療学会学術集会が10月15日 (木) ~18日 (土) に、 パシフィコ横浜で開催される。 今回のテーマ 「がんと生きる、 がんを生きる」 に込めた思いや学会の見どころについて、 同学術集会の会長を務める京都大学婦人科学産科学分野教授の万代昌紀氏に聞いた。
※本記事内に記載のプログラム名は8月現在の情報に基づくものであり、 今後変更になる可能性があります。

テーマ・ポスターに込めた思い

「がんと生きる」 に留まらず、 個人・社会が 「どう向き合うか」 を考える

––学術集会テーマに込めた思いは

万代氏 :

私の前任の教授である小西郁生先生が 「がんと生きる」 をテーマに第53回日本癌治療学会学術集会の会長を務められた10年前、 がんは 「治る病気」 に変化しつつあり、 がんを抱えながら生きる方が増えてきた時代でした。

あれから10年が経過し、 今回の学会では1つの総括として、 「がんと生きる」 についてもう一度考えてみたいという思いがありました。 さらには、 がんとの共生が可能になってきた時代に、 個人や社会全体がどのようにがんと向き合うべきか、 多様な視点から考えたいという思いを込めて、 「がんを生きる」 という言葉を加えました。

マスコットは 「苦を知らない」 クジラ

––チラシやポスターにクジラを採用した理由は

万代氏 :

ポスターデザインの原案に描かれていたクジラが 「苦を知らない」 として縁起物として扱われ、 また、 ほとんどがんに罹患しないことを知り、 参加者の皆様がクジラのイメージを記憶してもらえる学術集会にしたいという思いから、 クジラを今回のマスコットキャラクターに決定いたしました。

※会期中はクジラグッズが会場に多数用意される予定です

特色と注目プログラム

職種や診療科にかかわらずがん診療の進歩を学べる

―今学術集会の見どころは

万代氏 :

本学術集会は医師以外の医療従事者も参加する多職種・多領域の学会であり、 専門領域や職種にかかわらず最新のがん診療を学べることが大前提かつ最重要だと考えています。 そのため、 今学術集会も特定のトピックに偏らず、 がん診療における着実な進歩を網羅できるようなプログラムを考案中です。

たとえば家族看護の問題を考える 「がん医療における家族看護の理論と実践のTIPS」、 免疫療法の有害事象に関する 「irAEに対する多職種連携マネジメント」 などを開催予定です。

さらに、 「がんを生きる」 というテーマから、 患者さんの視点を大切にしました。 患者さんの側からがん診療を考えるシンポジウム企画 「癌治療継続における課題 ~医療経済の視点から~」 や、 がんを経験された堀ちえみさんのご講演 「舌がんステージ4から希望のステージへ」、 梅宮アンナさんに登場いただきがん患者のアピアランスケアについてお話いただくセミナー企画など、 患者さんの視点から医療者が学べる企画を多く用意しています。

成長著しい免疫療法、 ゲノム、 AI活用に関する講演も

––進化が激しい分野を深堀するプログラムもあるのですね

万代氏 :

ゲノム領域、 免疫領域、 AIを含めたデジタルテクノロジー領域は近年成長が著しく、 この1年間でも目覚ましい進化を遂げました。

今回はこれらのトピックに関して、 IJCO誌とのコラボレーション企画 「論文作成におけるAIの活用」、 招請講演 「がん免疫学の最前線:次世代免疫治療への展望」、 教育講演 「ゲノム解析が明らかにする疾患の多様性」 などを開催予定です。 その他、 AIの臨床応用、 最新の医療統計、 新規抗体薬物複合体 (ADC) などに関しても、 企画を組んでいます。

外科領域の共通課題を考える企画も実現

万代氏 :

癌治療学会は外科系の医師が横断的に会する、 という特徴もありますので、 外科領域における共通課題を考える企画として、 会長企画として日本外科学会で進められている 「遠隔手術、 AI支援手術の現在と未来 : どこにいても最適な治療を受ける未来を) 」 を取り上げます。 また、 日本内視鏡外科学会との共同企画で手術解剖の共通化に関する 「JSES2024 AOB meetingの知見から紐解く精密解剖」 も注目プログラムです。

市民/家族参加可能なプログラムも

––展示会場を一般にも開放されるそうですね

万代氏 :

展示会場は、 3日目に一般の方にも開放して 「がんちいきいきパーク」 を開催します。 本学術集会に参加される先生方には、 ご自身のご家族もお誘いいただければと思います。

HOKUTO医師会員へのメッセージ

万代氏 :

若手の先生は 「目の前の診療と資格取得で精一杯」 という方も多いでしょう。 しかし、 日本癌治療学会のような領域横断型の学術集会は、 他領域の世界を知る絶好の機会であり、 領域外での知見が、 今後のキャリアの中で活かせる日が必ず訪れるはずです。 私自身、 別領域の世界を覗いて得たものが、 最終的に自分の領域に還ってきて助けられた経験があります。 さまざまな企画を用意していますので、 ぜひ横浜の会場へ足を運んでいただければ幸いです。

現在インスタグラムで学会の内容を配信中です。 ぜひ、 ご覧ください。

公式Instagramはこちら

(第63回日本癌治療学会のInstagram公式アカウントに遷移)

開催概要

開催日時 : 2025年10月16日(木)~10月18日(土)

会場 : パシフィコ横浜

会長 : 万代昌紀

テーマ : がんと生きる、 がんを生きる

公式サイトはこちら

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日本癌治療学会について

日本癌治療学会に入会を希望される方は、下記より入会手順をご確認ください。

>>「日本癌治療学会」 入会のご案内はこちら

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学会入会のメリットは?

以下のような学会入会特典がございます。

①学術集会での研究発表

本学会学術集会に演題の応募ができ研究成果を発表することができます。

※筆頭演者は会員である必要がございますが、 共同演者は会員である必要はございません。 ただし、 会長により招請された方、 また、 海外からの応募者、 医師・歯科医師以外のメディカルスタッフ、 学生の方は、 この限りではありませんので非会員の方であってもご登録可能です。

②学術集会への参加

会員は学術集会へは会員価格で参加することができます。

③機関誌の無料閲覧

IJCOおよびICCJの全文を無料で閲覧可能です。

④会員限定の情報提供

会員専用ページ 「myがんち」に登録したメールアドレスにお送りするメルマガを通じてがん治療についての最新情報が得られます。 また、 会員専用ページ 「myがんち」にてオンライン版会員名簿サービスで会員の検索ができます。

⑤学会提携クレジットカードの発行

このカードを利用することにより、 本学会年会費をカード決済口座から、 手数料無料で引き落とすことができます。

⑥ネットワークの構築

国内外の専門家との交流を深め、 臨床や研究の発展につなげる機会を提供いたします。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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