海外ジャーナルクラブ
1年前
Stamatakisらは、 日常生活中の強度の断続的な身体活動 (Vigorous Intermittent Lifestyle Physical Activity:VILPA) と癌罹患との関連を検討。 その結果、 少量のVILPAが癌罹患リスクの低下と関係していることが示唆された。 本研究はJAMA Oncology誌において発表された。
VILPAは日常生活中の短時間で散発的な (例えば、 最大1~2分) 強度の身体活動を指し、 例えば、 非常に速いウォーキングや階段昇降のようなものです。
強度の身体活動 (Vigorous Physical Activity:VPA) は、 癌予防のために推奨される身体活動 (Physical Activity:PA) を達成するための効率のよい方法であるが、 多くの人にとって継続のハードルが高い。
UK Biobankで「普段運動をしていない」と自己申告した成人:2万2,398人
参加者の利き手側の手首に装着したウェアラブルデバイスを利用してVILPAのデータを収集し、 その後の健康記録を調査
全癌およびPA関連癌 (低いPAレベルと関連する13の癌部位の複合アウトカム) の発生率
平均追跡期間6.7年で、 2,356例の癌イベントが発生、 うち1,084例がPA関連癌であった。
1日のVILPA持続時間中央値が1分 (1日当たり4.5分) の場合、 VILPAを行わない場合と比較して、 全癌のHRは0.80 (95%CI:0.69-0.92)、 PA関連癌のHRは0.69 (95%CI:0.55-0.86) であった。
全癌の発生率との関係が認められたVILPAの最小量は1日当たり3.4分 (HR 0.83、 95%CI 0.73-0.93)、 PA関連癌は1日当たり3.7分 (HR 0.72、 95%CI 0.59-0.88) であった。
少量の日常生活中の強度の断続的な身体活動が癌罹患リスクの低下と関係していることが示された。 日常的な強度の断続的な身体活動は、 余暇に運動することができない集団や意欲のない集団におけるがん予防のための有望な介入である可能性がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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