日本臨床腫瘍学会
4日前

2026年3月26~28日に、パシフィコ横浜ノースにて島根大学医学部附属病院腫瘍内科・先端がん治験センターの田村研治先生を大会長に第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)が開催されました。 この度学術集会へ現地参加する機会がございましたので、 研修医の私から見た本学会の印象をご報告します。

JSMOはがん領域における国際学会の一つで、 数多くの最先端の知見を含む演題が発表され、 全世界から多数の参加者が集まります。
例年開催されている 「医学生・研修医のための腫瘍内科セミナー (MOS) 2026 春」 は学会3日目の午後に開催され、 多くの参加者が集いました。 募集開始後すぐに参加枠が埋まったとのことで、 人気の高さが伺えました。
JSMO専門医部会長である高野利実先生が司会を務め、 第1部が開幕しました。 がん専門病院、 大学病院、 一般病院で 「腫瘍内科の道」 を歩んでいる若手医師より、 これまで歩まれた道や今後の展望についての話がありました。 様々なキャリアのあり方を知ることができて、 腫瘍内科の可能性や魅力を改めて実感しました。
第2部では6~9人のグループに分かれ、 症例のシナリオを通じて腫瘍内科医の診療を体験しました。
今回は 「若年女性の原発不明がん」 についてのグループワークでした。 各グループには学生や研修医のほか、 第一線でご活躍されているファシリテーターの先生方が2人ずつおられます。 ファシリテーターの先生のお力添えをいただきながら、 実際の診療と同様に診断や治療、 若年女性という背景に焦点を当てた課題について議論を交わしました。 学年を問わず、 あらゆる立場の参加者が積極的に発言されており、 大活躍されていました。

司会の高野先生の 「これからが本番です」 とひと笑いを誘うご挨拶で懇親会が豪華な会場で始まりました。
参加者とファシリテーターの先生方との間で、 診療や腫瘍内科に関する熱い話や、 それに限らない忌憚のない話で大いに盛り上がりました!何より同じ志をもつ全国の同年代の学生・研修医と繋がりを持つことができるのは大きな魅力です。
MOS参加者の中には、 「がん診療に興味のある方」 から 「将来は未定だけど進路を考えるために参加した方」 まで、 様々な動機を持った方がいらっしゃいます。
例年学生には交通費の補助がありますのでぜひ気軽に参加してみてください!

JSMO 2026ではMOS以外でも、 学生・研修医の活動が多くみられました。
特にキャリアエンパワーメント委員会企画で行われたセッションでは、 一昨年(2024年)及び昨年(2025年)のMOS参加者の有志で結成した 「学生・研修医ワーキンググループ(WG)」 による研究結果を発表しました。 日本の学生及び研修医を対象とした、 腫瘍内科や人工知能に対する認識に関する研究、 3年目以上のJSMO会員に対するアンケートスタディやインタビュースタディなど、 先行報告のない新規のデータを提示しました。


第1期WGの研究では、 腫瘍内科の認知と学年上昇は正の相関を示した一方で、 腫瘍内科への興味があり将来の選択肢とする割合は医学部3年生をピークに低下し、 腫瘍内科教育の早期介入の重要性が示唆されました。 また、 学生・研修医は腫瘍内科領域での人工知能に対して、 患者ケアや画像診断において積極的な活用を期待しているという実態調査結果が示されました。
第2期WGの研究では、 医師3年目以上のJSMO会員へのアンケート調査を実施し、 労働時間と満足度の関連やこれまでのキャリアを計画的か偶発的のいずれに感じるかを経験年数別に調査した結果など、 労働実態とキャリア意識の現状を明らかにしました。 異なる施設、 地域で活躍されているがん薬物療法専門医の先生方へのインタビュースタディでは、 過去、 現在、 未来の3つのセクションに分けて先生方のお考えを伺い、 今後の腫瘍内科の発展には何が必要か等を中心に、 会場全体で学びを深めました。
JSMO2026では、 学生・研修医などの若い世代の活躍が多くみられました。 JSMO2026では学生・研修医が大きな役割を果たしたセッションだけでなく、 専門医取得を目指す世代をターゲットとしたセッションもあり、 若手教育に重きを置かれていたと感じました。
腫瘍内科領域の今後のさらなる発展を予感させる学会でした。

日本臨床腫瘍学会に入会を希望される方は、下記より入会手順をご確認ください。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。