海外ジャーナルクラブ
8ヶ月前
Mohantyらは、 スウェーデンの全国コホートを使用して小児期の細菌性髄膜炎後における障害の長期リスクを評価した。 その結果、 髄膜炎経験者はどの障害もリスクが高く、 特に肺炎球菌が原因の場合や若年で診断された場合にリスクが高いことが明らかとなった。 本研究はJAMA Network Open誌において発表された。
小児期に特に肺炎球菌性髄膜炎の長期的な障害を科学的に証明され、 予防が非常に重要であることを強調されています。 肺炎球菌ワクチンを想像しますが、 COIをきちんと開示していますので全く問題ありません。
BMS (Bacterial Meningitis Score)
小児期に細菌性髄膜炎を経験した人における長期障害の発生率を調査した大規模な研究はほとんどない。
1987年1月1日~2021年12月31日に、 18歳未満の時に細菌性髄膜炎と診断された経験がある人
年齢、 性別、 居住地をマッチングさせた一般集団を対照群として障害リスクを解析した
認知障害、 痙攣、 難聴、 運動機能障害、 視覚障害、 行動情緒障害、 および頭蓋内構造の損傷の累積発生率
細菌性髄膜炎経験群 : 3,623人
一般集団からの対照群 : 3万2,607人
細菌性髄膜炎経験群ではすべての障害の累積発生率が高かった
特に肺炎球菌感染、 診断時の若年でリスク高
行動情緒障害、 難聴、 視覚障害
7種類の障害について相対リスクの有意な増加を認めた
調整HRが大きい障害
頭蓋内構造の損傷 : HR 26.01 (95%CI 15.50-43.74)
難聴 : HR 7.90 (同6.68-9.33)
運動機能障害 : HR 4.65 (同3.72-5.80)
認知障害、 痙攣、 難聴、 運動機能障害は、 インフルエンザ菌と比較して肺炎球菌によるリスクの方が有意に高かった
痙攣の場合
肺炎球菌 : HR 7.89 (同5.18-12.02)
インフルエンザ菌 : HR 2.46 (同1.63-3.70)
髄膜炎菌 : HR 1.38 (同0.65-2.93)
小児期の細菌性髄膜炎経験、 特に肺炎球菌による感染や若年での診断があった場合に、 長期的な障害リスクが高かったことが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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