海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前
Dulhuntyらは、 重篤な敗血症患者を対象に、 β-ラクタム系抗菌薬を持続点滴した場合に間欠点滴に比べて死亡リスクが低下するかどうかを無作為化比較試験で検討した。 その結果、 90日以内の全死亡率について、 両群間で統計学的有意差は認められなかった。 本研究はJAMAにおいて発表された。
ちょうど先日、 JAMAにおいてシステマティックレビューの結果、 持続投与が間欠投与に比べて90日死亡率を減少と関連すると報告されたばかりでしたが、 今回のRCTでは有意差は認めませんでした。
敗血症患者に対してβ-ラクタム系抗菌薬を持続点滴で投与したとき、 間欠点滴に比べて死亡リスクが低下するかどうかは不明である。 そこで本研究は、 重症敗血症患者に対するβ-ラクタム系抗菌薬 (ピペラシリン・タゾバクタムまたはメロペネム) の持続点滴が、 間欠点滴と比較して、 90日時点の全死亡率を低下させるかどうかを評価することを目的とした。
敗血症に対してピペラシリン・タゾバクタムまたはメロペネムによる治療を受けた重症患者
国際共同非盲検無作為化臨床試験。
被験者を以下のいずれかの群に無作為に割り付け、 24時間の投与量が等しくなる量のβ-ラクタム系抗菌薬 (ピペラシリン・タゾバクタムまたはメロペネム) を投与した。
無作為化後90日以内の全死亡率
絶対差 : -1.9%㌽ (95%CI -4.9-1.1%㌽)
OR : 0.91 (95%CI 0.81-1.01)、 p=0.08
絶対差 : 5.7%㌽ (95%CI 2.4-9.1%㌽)
両群で有意差は認められなかった。
著者らは 「β-ラクタム系抗菌薬の持続点滴と間欠点滴の間でみられた90日間での死亡率の差は、 一次解析では統計学的に有意ではなかった。 しかし、 効果推定値の信頼区間には、 持続点滴の使用には重要な効果がない可能性と臨床的には重要な利益がある可能性の両方が含まれている」 と述べている。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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