HOKUTO編集部
10日前

トランスサイレチン型心アミロイドーシス (ATTR-CM) 患者において、 標準治療へのeplontersen上乗せ効果を評価した第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験CARDIO-TTRansformの主解析結果から、 eplontersenは、 140週までの心血管死と再発性心血管イベントの複合評価項目を、 プラセボと比べて有意に減少させなかった。 米・Columbia UniversityのMathew S. Maurer氏が発表した。 同試験の詳細は、 N Engl J Med誌2026年8月28日オンライン版¹⁾に掲載された。
ATTR-CMは、 異常に折り畳まれたトランスサイレチン (TTR) が心筋に沈着し、 心機能障害が進行する予後不良の疾患である。 タファミジス、 アコラミジス、 ブトリシランなど治療選択肢が広がる一方、 死亡や心不全イベントのリスクは依然として高い。 eplontersenは、 肝臓におけるTTR産生を抑制するアンチセンス核酸医薬である。
20ヵ国130施設で、 NYHA心機能分類Ⅰ~Ⅲ度、 NT-proBNP≧600 pg/mLのATTR-CM患者1,438例を以下の2群に1:1で無作為に割り付け、 1回以上投与を受けた1,432例を解析対象とした。 TTRスタビライザーの併用は許容され、 ベースラインで819例 (57.2%) が使用していた。
主要評価項目は140週までの心血管死と心血管イベント再発の累積複合とした。
140週までの心血管死と心血管イベント再発の累積複合イベントは、 eplontersen群で210例 (29.4%) に381件、 プラセボ群で231例 (32.2%) に392件発生し、 両群間に有意差を認めなかった (RR 0.89 [95%CI 0.73–1.09]、 p=0.28)。 内訳は、 心血管死が74件 vs 70件、 心血管イベントが307件 vs 322件だった。
階層的に検定された副次評価項目では、 140週時の6分間歩行距離の最小二乗平均変化量は、 eplontersen群-27.5m、 プラセボ群-47.3mだった (群間差19.7m [95%CI 9.9–29.6] )。 KCCQ-OSスコアの変化量は、 それぞれ-5.4、 -9.4だった (群間差4.0 [95%CI 2.0–6.0] )。 ただし、 主要評価項目が有意差に達しなかったため、 階層的検定は終了しており、 いずれも名目的な有意差にとどまった。
検定階層に組み込まれたスタビライザー併用例では、 eplontersen群410例中105例 (25.6%)、 プラセボ群409例中107例 (26.2%) にイベントが発生し、 有意な上乗せ効果は認められなかった (RR 1.14 [95%CI 0.85–1.53])。
一方、 事前規定のサブグループ解析では、 非併用例でeplontersen群のイベントがより少なく (RR 0.71 [95%CI 0.54–0.93])、 TTRスタビライザー併用の有無と治療効果との交互作用のp値は0.017だった。 ただしこの解析は多重性調整が行われておらず、 探索的な位置付けである。
有害事象は99.0% vs 98.3%、 重篤な有害事象は57.8% vs 59.4%と両群で同程度だった。 投与中止に至った有害事象は6.4% vs 7.4%で、 新たな安全性の懸念は認められなかった。
Maurer氏は、 「eplontersenは血清TTR値を速やかかつ持続的に低下させたものの、 全体集団では、 140週までの心血管死と再発性心血管イベントの複合評価項目を、 プラセボと比べて有意に減少させなかった」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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