海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前

Strandbergらは、 肝疾患の既往がない一般集団を対象に、 主要な肝臓関連有害転帰 (MALO) の10年リスクを予測する新規リスクモデルCORE (Cirrhosis Outcome Risk Estimator) を海外の集団ベースコホート研究で開発・検証した。 その結果、 MALOイベントの予測においてCOREスコアは既存のFIB-4を上回る性能を示すことが明らかとなった。 本研究はBMJ誌において発表された。
血小板やビリルビンなど重要な変数に欠損が多く、 一部は最終モデルに含められなかった点はlimitationです。
肝硬変のスクリーニングにおいて、 既存のFIB-4スコアは、 一般集団や進行線維化の有病率が比較的低いプライマリケアの環境下では、 その性能に対する懸念が一部で指摘されている¹⁾²⁾。 また、 FIB-4スコアは、 検査時点での線維化の検出には比較的成功しているものの、 将来の肝硬変イベントの予測能は劣るとされている²⁾。
そこで本研究では、 プライマリケアの環境下での使用を想定して、 MALOの新たな発症リスク予測モデルであるCOREスコアを集団ベースコホート研究で開発・検証した。
スウェーデンにおいて肝疾患の既往がなく、 プライマリケアまたは産業保健検診で血液検査を受けた48万651例を対象にモデルが開発され、 肝疾患の既往がないフィンランドの 「FINRISK + Health2000」 コホート2万4,191例および英国の 「UK Biobank」 コホート44万9,806例で検証された。
主な評価項目は、 代償性および非代償性肝硬変、 肝細胞癌、 肝移植、 肝関連死亡を含む複合アウトカム (MALO) の10年リスクであった。
開発されたCOREスコアの性能は、 識別能 (時間依存性曲線下面積 [AUC])、 較正 (較正曲線)、 臨床的有用性 (意思決定曲線分析 [DCA]) の観点から評価された。 外部検証ではFIB-4スコアとの比較評価が実施された。
柔軟なパラメトリック生存モデル、 および年齢、 性別、 アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ (AST)、 アラニンアミノトランスフェラーゼ (ALT)、 γ-グルタミルトランスペプチダーゼ (GGT) を含む容易に利用可能な複数のバイオマーカーを用いて、 新たなリスクモデルとして「COREスコア」が開発された。
追跡期間中央値28年において7168件のMALOイベントが観察された。 MALO発生の10年リスクは0.27%であった。
COREスコアにおいて10年AUCは88% (95%CI 87-89%) を達成し、 FIB-4の79% (95%CI 78-80%) を上回った。
また、 COREスコアは3つのコホートすべてで良好な較正を示した。
DCAにより、 COREスコアはすべてのリスク閾値においてFIB-4よりも高いネットベネフィットが得られることが示された。
著者らは 「プライマリケアで容易に利用可能なバイオマーカーを用いて開発されたCOREスコアは、 一般集団におけるMALOの予測においてFIB-4を上回る性能を示し、 一般集団における肝疾患リスクを層別化する新たな手法となり得る」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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