【まとめ】経口オピオイドのレスキュードーズの選び方「なにを?いつ?どのぐらい?」
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HOKUTO編集部

2年前

【まとめ】経口オピオイドのレスキュードーズの選び方「なにを?いつ?どのぐらい?」

【まとめ】経口オピオイドのレスキュードーズの選び方「なにを?いつ?どのぐらい?」
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません.  個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

1. レスキュー薬の選び方

"経口投与"を基本的に選択

経口投与が難しい場合、 他の経路を検討する.

"経粘膜性フェンタニル"を選択

経粘膜性フェンタニルは経口投与に比べ、 吸収が速やかなのが特徴である. 通常の速放性製剤で効果が得られない短時間の突出痛に考慮して使用する [推奨度2A].

【まとめ】経口オピオイドのレスキュードーズの選び方「なにを?いつ?どのぐらい?」

💊薬剤添付文書

モルヒネ塩酸塩錠オプソ内服液ナルラピド錠オキノーム散イーフェンバッカル錠アブストラル舌下錠コデインリン酸塩錠5mg「シオエ」メサペイン錠トラマールOD錠トラムセット配合錠ソセゴン錠

※レスキュー薬を必要としない場合、 オピオイドの定期投与量の変更を検討する.

2. 投与タイミング

  • 定期投与で使用する鎮痛薬の不足を補完.
  • 突出痛の出現が予測できる場合は、 経口投与では30~60分前、皮下・静脈内投与では5~15分前の投与が可能.
  • 必要に応じて1時間毎から投与可.
<突出痛とは>
持続痛が十分にコントロールされている場合に生じる一過性の痛みで、  痛みの発生からピークまでの時間は5〜10分程度で、 持続時間は30〜60分程度のものを指す.

3. 投与量の目安

1日量の10~20%(1/6量程度) が目安

4. 特殊病態の選択方法

以下ガイドラインより引用

(1) 腎機能障害

✕ 使用しないことが望ましい

コデイン、 モルヒネ*

※ただし、モルヒネは電子添文上では慎重投与の記載があるので、 患者の状況にあわせ医師判断で検討下さい.

△ 注意が必要である

ヒドロモルフォン、オキシコドン、トラマドール

○ 比較的安全である

フェンタニル、 メサドン

※ただし、フェンタニル、 メサドンは電子添文上では慎重投与の記載があるので、 患者の状況にあわせ医師判断で検討下さい.

(2) 透析患者

○使用しないことが望ましい

コデイン、 モルヒネ

△注意が必要である

透析中・透析後に追加投与を要する可能性:ヒドロモルファン

減量または投与間隔の延長:オキシコドン

○ 比較的安全である

フェンタニル、 メサドン

(3) 肝機能障害

オピオイドのほとんどは肝代謝であり、 減量、 もしくは投与間隔の延長が必要である.

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5. 副作用とその対策

(1) 悪心・嘔吐

オピオイドスイッチング、 制吐薬、 抗ヒスタミン薬、 ドパミン受容体拮抗薬

(2) 便秘

オピオイドスイッチング、 便秘治療薬

(3) 眠気

オピオイド減量、 オピオイドスイッチング

モルヒネ、コデインによる副作用の場合、 ヒドロモルフォン、 オキシコドン、 フェンタニルへの変更が有効な場合がある.

HOKUTO関連情報

🔢 オピオイド換算表

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参考文献

「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2020」をもとにHOKUTO編集協力医師が執筆.

最終更新:2022年10月14日
監修医師:HOKUTO編集部医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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