海外ジャーナルクラブ
8日前

Knapperらは、 60歳超の急性骨髄性白血病 (AML) または高リスク骨髄異形成症候群 (MDS) の患者を対象に、FLT3遺伝子変異の有無を問わず強化化学療法にFLT3阻害薬キザルチニブを上乗せすることによる予後への影響について、 英国がん研究機構 (NCRI) の無作為化比較試験NCRI AML18で評価した。 その結果、 FLT3遺伝子変異陽性例ではキザルチニブ上乗せによる全生存期間 (OS) の有意な延長が示された一方で、 FLT3遺伝子変異の有無で選択されていない集団におけるOSの有意な延長は認められなかった。 試験結果はBloodに発表された。
FLT3遺伝子変異例でのOS改善は事前規定とはいえ探索的なサブグループ解析の結果であり、 症例数も限られることから、 確証的な結論を導くには追加の検証を要する点に留意する必要があります。
本試験は、 60歳超のAMLまたは高リスクMDS患者を対象に、 FLT3遺伝子変異の有無を問わず、 強化化学療法後のチロシンキナーゼ阻害薬キザルチニブの追加および維持療法としての同薬の投与が予後を改善するかどうかを無作為化比較試験で検証することを目的とした。
60歳超の未治療AMLまたは高リスクMDS患者463例 (年齢中央値68歳) を、 化学療法2コース目および3コース目の直後にキザルチニブ 40mgを投与する群 (キザルチニブ併用群) と投与しない群 (キザルチニブ非投与群) に1:1で無作為に割り付けた*。
キザルチニブ併用群に割り付けられた患者は、 さらに維持療法の有無で1:1に無作為化された。
主要評価項目はFLT3遺伝子変異の有無で選択されていない集団におけるOSとした。追跡期間中央値は76ヵ月であった。
解析対象となった463例のうち314例がFLT3野生型、 116例がFLT3遺伝子変異陽性例だった。
FLT3遺伝子変異の有無で選択されていない集団におけるOSは、 キザルチニブ併用群とキザルチニブ非投与群に有意差は認められなかった (HR 0.99, 95%CI 0.79-1.24, p=0.937)。 また、 キザルチニブ併用群ではキザルチニブ非投与群と比べて非再発死亡の増加が認められた (HR 1.64, 95%CI 1.04-2.59, p=0.032)。
事前規定のサブグループ解析では、 FLT3遺伝子変異陽性例でキザルチニブ併用によりOSが有意に改善していた (HR 0.59, 95%CI 0.37-0.93, p=0.024)。 この改善は再発リスクの低下によるものであった (HR 0.57, 95%CI 0.35-0.91, p=0.017)。 こうしたベネフィットはキザルチニブ短期投与群でより大きかった (HR 0.49, 95%CI 0.24-1.02, p=0.055)。 一方、 FLT3野生型例ではキザルチニブ併用による生存ベネフィットや再発リスクの低下は認められなかった。
血球数回復までの時間および入院期間については有意な群間差は認められなかった。 最も多くみられたGrade 3/4の有害事象は発熱性好中球減少症であった。
著者らは、 「化学療法2コース目まで遅らせた強化化学療法へのキザルチニブ上乗せは、 FLT3遺伝子変異を有する高齢AML患者ではOSを延長したが、 FLT3遺伝子変異の有無で選択されていない患者ではOSの延長をもたらさなかった」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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