海外ジャーナルクラブ
8日前

Cudkowiczらは、 筋萎縮性側索硬化症 (ALS) 患者305例を対象に、 RIPK1阻害薬SAR443820の安全性・忍容性・有効性を、 第Ⅱ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験 (HIMALAYA) で検討した。 その結果、 24週時点のALS機能評価スケール改訂版 (ALSFRS-R) 合計スコアの変化量は、 SAR443820群で-6.73、 プラセボ群で-6.32であり、 両群間に有意差は認められなかった。 安全性については、 SAR443820は肝酵素上昇を増加させた。 試験結果はLancet Neurol誌に発表された。
肝障害へのリルゾール併用の影響は不明であり、 試験の早期終了により長期安全性の評価も限定的でした。
ALS診療ガイドライン2023追補版2025 「新薬3剤の項目を改訂・新設」
RIPK1は炎症性シグナルと細胞死を制御するタンパク質で、 筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の病態への関与が指摘されている。 SAR443820は経口投与可能で中枢神経系に移行する選択的かつ可逆的なRIPK1阻害薬である。 本試験では、 ALS患者での安全性、 忍容性、 有効性を評価した。
13ヵ国63施設で実施された第Ⅱ相二重盲検無作為化比較試験である。 対象は改訂El Escorial基準でALS (possible、 probable、 probable laboratory-supported、 definite) と診断された18~80歳の患者305例で、 以下の2群に2:1で無作為化した。
主要評価項目は24週時点でのALS機能評価スケール改訂版 (ALSFRS-R) 合計スコアの変化量で、 ベースラインと24週時点のスコアが得られた全例を対象に算出した。 安全性は1回以上投与された全例で解析した。
試験は早期終了となった。
ALSFRS-R合計スコアの変化量 (最小二乗平均) に両群間で有意差は認められなかった。
24週時点 ALSFRS-R合計スコア変化量
群間差 -0.41 (95%CI -1.71~0.88)
有害事象の発現率と治療中止率はSAR443820群で高く、 最も多い原因は肝酵素上昇であった。
有害事象
治療中止
二重盲検期間中の死亡は9例 (SAR443820群7例、 プラセボ群2例) で、 いずれもSAR443820に起因するとはされなかった。
著者らは、 「SAR443820は臨床的有益性を示さず、 肝酵素上昇の増加と関連しており、 ALSに対するSAR443820のさらなる臨床開発は正当化されない」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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