【Lancet Neurol】ALSへのRIPK1阻害薬SAR443820、 機能低下を抑制せず
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8日前

【Lancet Neurol】ALSへのRIPK1阻害薬SAR443820、 機能低下を抑制せず

【Lancet Neurol】ALSへのRIPK1阻害薬SAR443820、 機能低下を抑制せず
Cudkowiczらは、 筋萎縮性側索硬化症 (ALS) 患者305例を対象に、 RIPK1阻害薬SAR443820の安全性・忍容性・有効性を、 第Ⅱ相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験 (HIMALAYA) で検討した。 その結果、 24週時点のALS機能評価スケール改訂版 (ALSFRS-R) 合計スコアの変化量は、 SAR443820群で-6.73、 プラセボ群で-6.32であり、 両群間に有意差は認められなかった。 安全性については、 SAR443820は肝酵素上昇を増加させた。 試験結果はLancet Neurol誌に発表された。

📘原著論文

Safety, tolerability, and efficacy of RIPK1 inhibitor, SAR443820, in amyotrophic lateral sclerosis (HIMALAYA): a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 2 trial. Lancet Neurol. 2026 Oct; 25(10): 900-910. PMID: 42716044

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

肝障害へのリルゾール併用の影響は不明であり、 試験の早期終了により長期安全性の評価も限定的でした。

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HOKUTO編集部

筋萎縮性側索硬化症 (ALS) 総説 「何が分かる?」

医療の最前線から : JAMA. 2026;335(22):1970-1982

背景

ALSの病態に関与するRIPK1

RIPK1は炎症性シグナルと細胞死を制御するタンパク質で、 筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の病態への関与が指摘されている。 SAR443820は経口投与可能で中枢神経系に移行する選択的かつ可逆的なRIPK1阻害薬である。 本試験では、 ALS患者での安全性、 忍容性、 有効性を評価した。

研究デザイン

対象は18~80歳のALS患者305例

13ヵ国63施設で実施された第Ⅱ相二重盲検無作為化比較試験である。 対象は改訂El Escorial基準でALS (possible、 probable、 probable laboratory-supported、 definite) と診断された18~80歳の患者305例で、 以下の2群に2:1で無作為化した。

  • SAR443820群 (203例)
SAR443820 20mgを1日2回経口投与
  • プラセボ群 (102例)

主要評価項目は24週時点でのALS機能評価スケール改訂版 (ALSFRS-R) 合計スコアの変化量で、 ベースラインと24週時点のスコアが得られた全例を対象に算出した。 安全性は1回以上投与された全例で解析した。

試験は早期終了となった。

結果

24週のALSFRS-R変化に有意差なし

ALSFRS-R合計スコアの変化量 (最小二乗平均) に両群間で有意差は認められなかった。

24週時点 ALSFRS-R合計スコア変化量

  • SAR443820群 : -6.73 (95%CI -7.48~-5.98)
  • プラセボ群 : -6.32 (95%CI -7.36~-5.27)
 群間差 -0.41 (95%CI -1.71~0.88)

有害事象・中止がSAR443820群で多い

有害事象の発現率と治療中止率はSAR443820群で高く、 最も多い原因は肝酵素上昇であった。

有害事象

  • SAR443820群 : 85% (171/202例)
  • プラセボ群 : 78% (80/102例)

治療中止

  • SAR443820群 : 14% (28/202例)
  • プラセボ群 : 5% (5/102例)

二重盲検期間中の死亡は9例 (SAR443820群7例、 プラセボ群2例) で、 いずれもSAR443820に起因するとはされなかった。

結論

臨床的有益性は示されず

著者らは、 「SAR443820は臨床的有益性を示さず、 肝酵素上昇の増加と関連しており、 ALSに対するSAR443820のさらなる臨床開発は正当化されない」と報告している。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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