海外ジャーナルクラブ
2年前
Fakihらは、 標準化学療法後に進行した、 転移性のマイクロサテライト安定性 (MSS) 大腸癌患者を対象に、 レゴラフェニブ+イピリムマブ+ニボルマブ3剤併用療法 (RIN) の推奨第Ⅱ相試験用量 (RP2D) を決定し、 その活性を第Ⅰ相ランダム化試験で評価。 その結果、 肝転移のない進行MSS大腸癌患者においてRP2DにおけるRINが興味深い臨床活性を示すことが明らかとなった。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
これだけがんに対する免疫療法が盛んに行われる状況においては、 まず何よりも免疫療法の成功を予測するために検証可能な有効なバイオマーカーの同定が極めて重要です。
転移性のMSS大腸癌患者に有効な免疫療法の組み合わせが必要である。
標準化学療法後に進行した転移性のMSS大腸癌で事前にレゴラフェニブニブや抗PD-1療法を受けていない患者:39例
RIN療法
RP2Dの検討
安全性およびResponse Evaluation Criteria in Solid Tumours (RECIST) に従った全奏効率 (ORR)
RINの開始用量であるレゴラフェニブ1日80mg投与時の最初の9例の患者には、 用量制限的な毒性作用は認められず用量の漸減は必要がなかったため、 この用量がRP2Dと宣言された。
レゴラフェニブを1サイクル目に40mg/日、 2サイクル目以降に80mg/日投与する用量最適化コホートでは、 皮膚および免疫毒性作用は低かったものの、 10例中5例の病勢安定を最良の反応とする活性は限定的だった。
肝転移のない進行性MSS大腸癌患者において、 RP2DにおけるRINが興味深い臨床活性を示すことが示唆された。 これらの知見は、 さらにランダム化比較試験で検証されるべきである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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