海外ジャーナルクラブ
7日前

Torres-Torresらは、 無作為化比較試験 (RCT) メタ解析により、 母体RSVワクチンの有効性・安全性とそのエビデンスの確実性を評価するとともに、 メキシコでのワクチン導入シミュレーションから費用対効果を検証した。 その結果、 母体RSVワクチンは、 安全に乳児のRSV感染リスクを半減させ (RR 0.47)、 重症RSV疾患リスクを64%減少させた (RR 0.36)。 エビデンスの確実性は、 RSV感染全体では中等度、 重症RSVでは高度であった。 シミュレーションでは、 公的調達価格 (50米ドル/回) で費用対効果が大幅に改善した。 試験結果はInt J Gynaecol Obstet誌に発表された。
試験数の少なさ、 感染定義や追跡期間のばらつき (特に“any RSV”での異質性)、 間接効果や長期コストを考慮しない静的モデルである点がlimitationです。
RSVは乳児早期の入院・死亡の主要原因の1つであり、 母体免疫は有望な予防策と考えられる。 本研究では、 第Ⅲ相無作為化試験のメタ解析によって母体RSVワクチン接種の有効性・安全性と、 その集団レベルおよび経済的影響を評価し、 政策判断に資する高確実性のエビデンスを提示することを目的とした。
複数の文献データベースを用いて、 母体RSVワクチン接種による新生児または母体アウトカムを報告したプラセボ対照・無作為化比較試験 (RCT) を検索した。
リスク比 (RR) および絶対リスク差をランダム効果モデルにより算出し、 エビデンスの確実性はGRADE法により評価した。
さらに、 メキシコでのワクチン導入を想定し、 条件別に費用対効果をシミュレーションした
4件の第Ⅲ相RCT (妊婦1万7,391例) を組み入れた。
母体RSVワクチン接種は、 早産、 子癇前症、 死産のリスクを上昇させることなく、 乳児のRSV感染リスクを半減させた。
エビデンスの確実性は、 あらゆるRSV感染に対しては中等度、 重症RSVに対しては高かった。
メキシコでは、 定価 (1回295米ドル) での全国一律接種により年間約2万769件の感染と228件の新生児死亡を防止できると推定されたが、 1人の死亡を防ぐための費用は高額であった。
公的調達価格 (1回50米ドル) では、 費用対効果は大幅に改善した。
著者らは、 「母体RSVワクチン接種は有効かつ安全で、 RSV負荷の高い地域では費用面からも導入が正当化され得る。 各国の予防接種プログラムへの導入を支持する結果であった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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