海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前
Ma氏らは、 エストロゲン受容体 (ER) 陽性/ERBB2 (旧HER2) 陰性の患者に対し、 術前ホルモン療法としてのホルモン療法薬フルベストラント単剤療法およびフルベストラント+アロマターゼ阻害薬アナストロゾール併用療法の有効性および安全性について、アナストロゾール単剤療法を対照に第III相無作為化比較試験ALTERNATEで検討した。 その結果、 いずれもアナストロゾール単剤療法と比較して内分泌感受性疾患発生率 (ESDR) の有意な改善を認めなかった。 本研究はJAMA Oncol誌において発表された。
研究名をALTERNATEとして、 既存薬の代替薬になりうるのではという思いを込めた研究だったかと思われます。 結果的にnegative studyとなりました。 研究グループの思いを反映するような研究名は結果的にnegative studyとなるような印象です。
Aromatase inhibitors (ANA、 LET、 EXE)
アナストロゾール+フルベストラント (A+F) 併用療法は、 ER陽性/ERBB (旧HER2) 陰性進行乳癌患者の生存期間を改善することが以前の研究で既に明らかにされている。 しかし、 早期乳癌に対するA+F併用療法の効果は検証されていない。
Stage2~3のER陽性/ERBB2陰性の閉経乳癌 : 1,362例
患者を1 : 1 : 1の割合で以下の3群に無作為に割り付け、 6ヵ月間の治療を実施した。 投与完了後には手術を行った。
Ki67は4週目および任意で12週目に評価され、 いずれかの時点でKi67>10%の場合は、 術前療法または即時手術に切り替えられた。
ESDR
治療開始4週間後のKi67変化率
フルベストラント群、 A+F群いずれもアナストロゾール単剤に比べ、 ESDRを有意に改善しなかった。
治療開始4週間後または12週間後のKi67>10%の割合
フルベストラント単剤療法およびアナストロゾール+フルベストラント併用療法は、 アナストロゾール単剤療法と比較して、いずれもStage2~3のER陽性/ERBB2 (旧HER2) 陰性閉経乳癌における6ヵ月ESDRを有意に改善しなかった。 この結果から術前内分泌療法においては、 アナストロゾール単剤療法が依然として標準治療である可能性が示唆された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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