亀田総合病院
1年前
亀田総合病院 脳神経内科
本稿ではパーキンソン病に特徴的な症状や脳内の変化、 類似する症状を持つ疾患との鑑別について、 ポイントを交えつつ紹介します。
パーキンソンの振戦は静止時に起こりやすく、 動くと振戦が止まるのが特徴である。 ⽚側優位で始まり、 進⾏しても⽚側優位のことが多い。
歩⾏や起⽴を含め、 あらゆる動作が遅くなり、 時間がかかる。
他動的に関節を動かすと抵抗がある。 左右差があることが多い。
⼩刻みの歩⾏で⼿の振りが乏しいのが特徴。左右のスタンスは広くならない。
両肩を後ろ側に引っ張ると足が後ろに出ず倒れてしまうこ。 そのためパーキンソン病の患者は進⾏すると転倒しやすくなる。
小刻み歩行やすくみ足の患者に、 歩⾏のきっかけになるような⽬印やリズムがあると⾜が前に出やすい。
便秘*、 レム睡眠行動異常*、 嗅覚障害*、 排尿障害、 認知症、 うつ、 発汗障害、 痛み、 倦怠感
正常だと勾⽟状に像が出るが、 異常な場合はドット上に像が出たり薄くなったりして表⽰される。 ⿊質線条体ニューロンの変性と関係が深く、 左右差があることが特徴のひとつ。
⼼臓の交感神経機能を⾒る検査。 通常であれば⼼臓に造影剤の集積が認められるが、 パーキンソン病だとそれがみられない。 レビー⼩体の病理と関連が深いことが知られている。
パーキンソン病においては中脳の⿊質から線条体のニューロンにおいて神経変性があり、 ドパミンが枯渇することによって、 運動障害が⽣じるので、 ドパミンを補充ことにより運動症状の改善がみられる。
ドパミン補充療法は神経変性を⽌める治療ではないが、 レボドパの登場によりパーキンソン病の患者のADLが約10年維持可能ともいわれる。
パーキンソン病はその周辺に似た症状をもつ疾患が多く、 鑑別が難しいことがある。
⾼齢者がどのような薬飲んでいるかは必ずチェックする必要がある。 特に消化器⽤薬は効率で⾼齢者にパーキンソン症候群をおこす。 以下に原因薬剤例をあげる。
消化器用薬
Ca拮抗薬
抗てんかん薬
パーキンソン病に似た運動障害がでるが、 パーキンソン病に⽐べて左右の⾜のスタンスが広い。病初期から姿勢反射障害がつよい。 MRIで確認すると、 中脳吻側がハチドリのくちばしのように萎縮している (ハミングバードサイン)。
MRIでみると被殻の萎縮がおこり、 その周辺に低信号を確認することができる。 歩⾏時に左右の⾜のスタンスが広いなどの特徴がある。
左右のスタンスが広い (開脚状態)。 姿勢反射障害も強い。
正常圧⽔頭症、 ⽪質基底核変性症など
講師:安藤哲朗先生
亀田総合病院 脳神経内科
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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