海外ジャーナルクラブ
2年前
O'Tooleらは、 骨折患者の血栓予防における低分子ヘパリンとアスピリンの有効性を実用的多施設共同無作為化非劣性試験で検討。 その結果、 手術歴のある四肢骨折や骨盤・寛骨臼骨折の患者において、 アスピリンによる血栓予防は、 死亡予防において低分子ヘパリンに非劣性であり、 深部静脈血栓症の発症率、 90日死亡率なども低いことが示された。 本研究はNEJM誌において発表された。
画期的な研究成果です。 日本の薬価で約70倍の差があります。 今後外傷後のDVT予防はアスピリンの選択がガイドラインにも明記されることになるでしょう。
骨折患者の血栓予防には低分子ヘパリンが推奨されているが、 アスピリンと比較した有効性に関する臨床試験は不足している。
手術による治療を受けた四肢 (股関節から中足、 肩から手首まで) の骨折を有する18歳以上の患者、 あるいは骨盤または寛骨臼の骨折を有する患者。
患者は以下の群に無作為に割り付けられた。
90 日時点の全死因死亡。
非致死的肺塞栓症、 深部静脈血栓症、 出血性合併症。
出血性合併症、 その他の重篤な有害事象の発生率は両群でほぼ同じであった。
手術歴のある四肢骨折や骨盤・寛骨臼骨折の患者において、 アスピリンによる血栓予防は、 死亡予防において低分子ヘパリンに非劣性である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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