海外ジャーナルクラブ
1年前
筑波大学附属病院 腎泌尿器外科の西山博之氏らは、 切除不能尿路上皮癌の日本人患者を対象に、 抗PD-1抗体ペムブロリズマブの安全性と有効性を国内市販後調査から検討した。 その結果、 切除不能な尿路上皮癌の日本人患者におけるペムブロリズマブの安全性と有効性が実臨床において確認された。 本研究はBMC Cancer誌において発表された。
overall survivalを評価していない、 事前に有効性評価時期を設定していない、 有効性の評価を中央で評価していない、 長期アウトカムを評価していないなどのlimitationがありますのでタイトルにeffectivenessを使用するのはアカデミアでは少し強すぎる印象があります。 このような場合にはよくEffectを使われることが多いです。
国内市販後調査は、 ペムブロリズマブ投与開始 (200mgを3週間ごとに投与) から1年間の観察期間にわたって実施された。 データは症例報告書 (3カ月および1年) から収集された。
腫瘍反応、 客観的奏効率 (ORR)、 病勢コントロール率 (DCR)
治療に関連した有害事象および特に注目すべき有害事象 (AEOSI)
ORR・DCR
ペムブロリズマブのORRは26.1%、 DCRは50.7%であった。
Bellmuntリスクスコア*との関係
Bellmuntリスクスコア0の患者のORRは46.4%であり、 スコアが増加するにつれて減少した。
12ヵ月時のTRAE発現率は53.8%、 AEOSI発現率は25.0%であった。
最も頻度の高いAEOSI
多変量解析の結果、 ILD発症リスクは、 ベースライン時にILDの併存疾患がある患者では約7倍 (OR 6.60)、 65歳以上 (OR 2.24) および喫煙歴のある患者 (OR 1.79) では約2倍高いことが示された。
本製造販売後調査により、 切除不能な尿路上皮がんの日本人患者におけるペムブロリズマブの安全性と有効性が実臨床において確認された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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