海外ジャーナルクラブ
29日前
Yauらは、 切除不能肝細胞癌患者を対象に、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法の有効性および安全性をレンバチニブまたはソラフェニブの単剤療法と比較した第III相無作為化比較試験CheckMate 9DWの中間解析を報告した。 その結果、 ニボルマブ+イピリムマブ併用療法は全生存期間 (OS) の有意な改善が示された。 試験結果はLancet誌に発表された。
結果にも記載されていますが、 Fig. 2Aは特に注目に値します。 カプランマイヤー曲線が1年の時点で交差しており、 治療効果の時間的変化や群間差の解釈に慎重さが求められることを示唆しています。 ぜひご確認いただきたい重要な図です。
切除不能肝細胞癌は予後不良の疾患であり、 長期生存につながる新たな1次治療の選択肢が求められている。 今回、 ニボルマブ+イピリムマブ併用療法をレンバチニブまたはソラフェニブの単剤治療と比較した第III相非盲検無作為化比較試験CheckMate 9DWの中間解析が報告された。
対象は、 全身療法歴なし、 RECIST ver1.1に基づく未治療の測定可能病変が1つ以上、 Child–Pughスコア5または6、 ECOG PS 0または1などの組入基準を満たす18歳以上の切除不能肝細胞癌患者であった。
患者は、 以下の2群に割り付けられた。
主要評価項目は全生存期間 (OS) で、 無作為化された全例を対象に評価した。 安全性は探索的評価項目とされ、 1回以上試験薬を投与された患者を対象に評価された。
2020年1月6日~21年11月8日に対象患者668例が無作為化され、 追跡期間中央値は35.2ヵ月 (IQR 31.1-39.9ヵ月) であった。 OSのKaplan-Meier曲線では、 無作為化後6ヵ月間はNIVO+IPI群で死亡リスクが高く (HR 1.65、 95%CI 1.12-2.43)、 その後曲線は交差し、 その後はNIVO+IPI群で良好な生存率が持続した (HR 0.61、 95%CI 0.48-0.77)。
NIVO+IPI群は、 LEN/SOR群と比較してOS中央値 (95%CI) が有意に長かった。
HR 0.79 (95%CI 0.65-0.96)、 p=0.018
OSは、 24ヵ月時点が49% (95%CI 44–55%) vs 39% (95%CI 34-45%)、 36ヵ月時点が38% (95%CI 32-43%) vs 24% (95%CI 19-30%) であった。
Grade 3-4の治療関連有害事象は、 NIVO+IPI群の41%、 LEN/SOR群の42%に認められた。 治療に起因する死亡は、 NIVO+IPI群の12例、 LEN/SOR群の3例に認められた。
著者らは、 「ニボルマブ+イピリムマブは、 治療歴のない切除不能肝細胞癌で、 レンバチニブまたはソラフェニブに対してOSの有意な改善効果を示し、 安全性も管理可能であった。 この結果は、 ニボルマブとイピリムマブの併用療法が、 同対象患者の1次治療として支持されるものである」 と報告している。
CheckMate 9DW: HCC、 NIVO+IPIでOS改善
Intermediate stage肝癌 TACE+ICIの効果は?
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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