★医師コメント追加★【SAFFRON】オシメルチニブ+savolitinib、 オシメルチニブ耐性後NSCLCのPFS・OS改善
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HOKUTO編集部

17時間前

★医師コメント追加★【SAFFRON】オシメルチニブ+savolitinib、 オシメルチニブ耐性後NSCLCのPFS・OS改善

★医師コメント追加★【SAFFRON】オシメルチニブ+savolitinib、 オシメルチニブ耐性後NSCLCのPFS・OS改善
オシメルチニブ投与後に増悪し、 METタンパク過剰発現またはMET遺伝子増幅を伴うEGFR変異陽性の局所進行・転移性非小細胞肺癌 (NSCLC)患者を対象に、 オシメルチニブ+選択的MET阻害薬savolitinib併用とプラチナ製剤+ペメトレキセドを比較した国際共同非盲検第III相無作為化比較試験SAFFRONの主解析結果が報告された。 オシメルチニブ+savolitinib群は主要評価項目の無増悪生存期間 (PFS)および主要な副次評価項目の全生存期間 (OS) をいずれも有意に延長した。 中国・Shanghai Chest HospitalのShun Lu氏が発表した。 同試験の詳細は、 N Engl J Med誌2026年10月25日オンライン版¹⁾に掲載された。

背景

EGFR-TKI耐性後のMET異常、 標的治療は限定的

EGFR変異陽性NSCLCはいまだ1次治療後に多くが増悪を来し、 MET異常はオシメルチニブを含むEGFR-TKIの主要な耐性機序である。 オシメルチニブ投与後に増悪した症例の34%にMET過剰発現または遺伝子増幅が報告され、 標的治療の選択肢は限られる。 先行の第II相SAVANNAH試験では、 オシメルチニブ+savolitinib併用は持続的な奏効を示し²⁾、 第III相SACHI試験 (中国) ではPFSを改善した³⁾。

試験の概要

オシメルチニブ+savolitinibと化学療法を比較

同試験の対象は、 1次治療または2次治療のオシメルチニブ投与後に病勢進行し、 中央判定でMET過剰発現 (IHC 3+が腫瘍細胞の90%以上) またはMET増幅 (FISHで10コピー以上) が確認されたEGFR変異陽性の局所進行または転移を有するNSCLC (ECOG PS 0/1) である。 338例が1:1で以下の2群に無作為化された。

  • オシメルチニブ+savolitinib群 (171例) 
オシメルチニブ80mg 1日1回+savolitinib 300mg 1日2回
  • 化学療法群 (167例) 
ペメトレキセド500mg/m²+カルボプラチンまたはシスプラチンを3週間ごと×4サイクル → ペメトレキセド維持

原則として病勢進行または中止基準に該当するまで投与し、 担当医の判断により病勢進行後の継続も許容された。

層別因子は人種 (アジア人 vs 非アジア人)、 ベースラインの脳転移の有無、 治療ライン (2nd vs 3rd) であった。

主要評価項目は盲検下独立中央判定 (BICR) によるPFS、 主要な副次評価項目には治験担当医判定によるPFS、 OS、 全奏効率 (ORR)、 奏効持続期間 (DoR)、 安全性などが含まれた。 データカットオフは2026年7月6日であった。

試験の結果

患者背景は概ね均衡

患者背景は両群間で概ね均衡していた。 年齢中央値は両群とも64歳、 アジア人の割合は63% vs 66%であった。 両群とも31%が脳転移を有し、 前治療が1ラインの患者は84%であった。

進行・死亡リスクを45%低減

BICRによるPFS中央値は、 オシメルチニブ+savolitinib群で7.6ヵ月 (95%CI 5.6–9.7ヵ月)、 化学療法群で5.4ヵ月 (95%CI 4.2–5.8ヵ月) であり、 オシメルチニブ+savolitinib群で病勢進行または死亡のリスクが有意に45%低減した (HR 0.55、 95%CI 0.42–0.72、 両側p<0.001)。

12ヵ月PFS率はそれぞれ36% vs 10%であった。

PFSの有益性は事前に定義されたサブグループ全体で一貫して認められた。 MET過剰発現およびMET増幅別の解析でも結果は概ね一致していた。

OS中央値17.8 vs 12.9ヵ月、 死亡リスク32%減

OS中央値は17.8ヵ月 (95%CI 15.6–23.7) vs 12.9ヵ月 (95%CI 10.6–16.8) であり、 死亡リスクが32%有意に低減し (HR 0.68、 95%CI 0.50–0.91、 両側p=0.010)、 OS中央値は4.9ヵ月延長した。 ORRは51% vs 27%、 DoR中央値は9.7 vs 5.7ヵ月であった。

Grade 3以上のTEAE発現割合は同程度

Grade 3以上の治療下発現有害事象 (TEAE) は64% vs 63%、 重篤なTEAEは41% vs 28%、 治療中止に至ったTEAEは14% vs 8%であった。 致死的なTEAEはオシメルチニブ+savolitinib群で12例 (7%)、 化学療法群で0例であり、 このうち治療関連と判断されたものはそれぞれ1例 (1%)、 0例であった。

オシメルチニブ+savolitinib群の主なTEAEは末梢浮腫 (49%)、 貧血 (26%)、 下痢 (26%) であった。

結論

新たな標準治療とする意義をLu氏が強調

Lu氏は 「SAFFRON試験は、 MET過剰発現または増幅を伴うEGFR変異陽性NSCLCにおいて、 オシメルチニブ治療後の病勢進行例でPFSおよびOSの双方を有意に改善した初のグローバル第III相試験である。 PFSの有益性はサブグループでも一貫し、安全性プロファイルは各薬剤の既知のものと一致していた。 経口標的治療として、 新たなグローバル標準治療に位置付けられる」 と結論付けている。

出典

1) N Engl J Med. 2026年10月25日オンライン版

2) Ann Oncol. 2025 Aug;36(8):920-933

3) Lancet. 2026 Jan 24;407:375-387.

専門医コメント「私はこう考える」

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標準治療としての意義と実臨床での課題

同試験により、 オシメルチニブ+savolitinib併用療法が、 標準治療としての位置付けを確かなものとする結果となった。

実臨床でまず課題となるのは、 適格患者の同定である。 本試験では、 MET検査で評価可能だった患者の35%にMETタンパク過剰発現またはMET遺伝子増幅を認めた。 スクリーニング対象1,746例のうち、 無作為化に至ったのは338例 (約19%) であった。 実臨床では、 治療導入に至る患者の割合がさらに低くなる可能性も考えられる。

また、 初回治療から本併用療法の対象となるまでに、 数年を要する可能性がある。 日本では、 その時点で高齢となっている患者も少なくないと考えられ、 腎機能の評価や浮腫などの有害事象の管理も重要となる。

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海外ジャーナルクラブ: Lancet. 2026; 407(10526): 375-387.

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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