海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前
Mian Xiらは、 再発肝細胞癌 (HCC) 患者を対象に、 体幹部定位放射線治療 (SBRT) とラジオ波焼灼療法 (RFA) の有効性と安全性を非盲検無作為化比較試験で検討した。 その結果、 SBRTはRFAよりも局所無増悪生存期間 (LPFS) が良好であることが明らかとなった。 本研究はJ Clin Oncolにて発表された。
本研究対象の約9割がB型肝炎ウイルス (HBV) によるHCCですので、 注意が必要です。
再発HCCの局所治療において、 SBRTとRFAが使用されるが、 これらの有効性と安全性の直接比較したデータは限られている。
本研究は、 SBRTとRFAを比較し、 治療戦略の選択に関するエビデンスを提供することを目的とした。
単発病変5cm以下の再発HCC患者166例が、 以下の2群に1:1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は局所無増悪生存期間 (LPFS)、 副次評価項目は無増悪生存期間 (PFS)、 全生存期間 (OS)、 局所制御率、 安全性とされた。
追跡期間の中央値は、 SBRT群が42.8ヵ月、 RFA群が42.9ヵ月であった。
SBRT群はRFA群と比較して、 LPFSが有意に延長した (HR 0.45 [95%CI 0.24-0.87]、 p=0.014)。
2年LPFS率も、 SBRT群では92.7% (95%CI 87.3-98.5)で、 RFA群の75.8% (同67.2-85.7) に比べて高かった。
PFS中央値は、 SBRT群が37.6ヵ月 (95%CI 26.0-49.2)、 RFA群27.6ヵ月 (95%CI 20.3-34.8) であり、 両群で有意差はなかった (HR 0.76 [95%CI 0.50-1.15]、 p=0.19)。
2年OS率も、 SBRT群が97.6% (95%CI 94.3-100.0)、 RFA群が93.9% (95%CI 88.9-99.2) であり、 両群で有意差は示されなかった (HR 0.91 [95%CI 0.37-2.22]、 p=0.83)。
急性および晩期有害事象の発生率は、 両群で同等であった。
著者らは 「SBRTは、 特に単発病変2cm以下の再発HCC患者において、 RFAよりも優れたLPFSを達成した。 一方で、 PFS、 OS、 安全性は両群で同等であった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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