【J Clin Oncol】再発小肝細胞癌の局所治療、 SBRT vs ラジオ波焼灼
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海外ジャーナルクラブ

4ヶ月前

【J Clin Oncol】再発小肝細胞癌の局所治療、 SBRT vs ラジオ波焼灼

【J Clin Oncol】再発小肝細胞癌の局所治療、 SBRT vs ラジオ波焼灼
Mian Xiらは、 再発肝細胞癌 (HCC) 患者を対象に、 体幹部定位放射線治療 (SBRT) とラジオ波焼灼療法 (RFA) の有効性と安全性を非盲検無作為化比較試験で検討した。 その結果、 SBRTはRFAよりも局所無増悪生存期間 (LPFS) が良好であることが明らかとなった。 本研究はJ Clin Oncolにて発表された。 

📘原著論文

Radiofrequency Ablation Versus Stereotactic Body Radiotherapy for Recurrent Small Hepatocellular Carcinoma: A Randomized, Open-Label, Controlled Trial. J Clin Oncol. 2024 Dec 18:JCO2401532. Online ahead of print. PMID: 39693584.

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

本研究対象の約9割がB型肝炎ウイルス (HBV) によるHCCですので、 注意が必要です。


背景

SBRTとRFAの比較データは不足

再発HCCの局所治療において、 SBRTとRFAが使用されるが、 これらの有効性と安全性の直接比較したデータは限られている。

本研究は、 SBRTとRFAを比較し、 治療戦略の選択に関するエビデンスを提供することを目的とした。

研究デザイン

SBRT群とRFA群をLPFSで評価

単発病変5cm以下の再発HCC患者166例が、 以下の2群に1:1で無作為に割り付けられた。

  • SBRT群 : 83例
定位放射線治療を実施
  • RFA群 : 83例
ラジオ波焼灼療法を実施

主要評価項目は局所無増悪生存期間 (LPFS)、 副次評価項目は無増悪生存期間 (PFS)、 全生存期間 (OS)、 局所制御率、 安全性とされた。

結果

追跡期間の中央値は、 SBRT群が42.8ヵ月、 RFA群が42.9ヵ月であった。

SBRT群はLPFSを有意に延長

SBRT群はRFA群と比較して、 LPFSが有意に延長した (HR 0.45 [95%CI 0.24-0.87]、 p=0.014)。

2年LPFS率も、 SBRT群では92.7% (95%CI 87.3-98.5)で、 RFA群の75.8% (同67.2-85.7) に比べて高かった。

PFS、 OSは有意差なし

PFS中央値は、 SBRT群が37.6ヵ月 (95%CI 26.0-49.2)、 RFA群27.6ヵ月 (95%CI 20.3-34.8) であり、 両群で有意差はなかった (HR 0.76 [95%CI 0.50-1.15]、 p=0.19)。

2年OS率も、 SBRT群が97.6% (95%CI 94.3-100.0)、 RFA群が93.9% (95%CI 88.9-99.2) であり、 両群で有意差は示されなかった (HR 0.91 [95%CI 0.37-2.22]、 p=0.83)。

安全性は同等

急性および晩期有害事象の発生率は、 両群で同等であった。

結論

SBRTはHCC局所治療に有用の可能性

著者らは 「SBRTは、 特に単発病変2cm以下の再発HCC患者において、 RFAよりも優れたLPFSを達成した。 一方で、 PFS、 OS、 安全性は両群で同等であった」 と報告している。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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