HOKUTO編集部
20日前

米国臨床腫瘍学会 (ASCO) 2026年次総会が、 2026年5月29日 (金) ~6月2日 (火) に米・シカゴで開催される。 本稿では編集部が事前選定した注目演題のうち、 皮膚腫瘍に関する3題を、 領域別 (ぶどう膜メラノーマ/メルケル細胞癌) に紹介する。
HLA-A2陰性の転移性ぶどう膜メラノーマ (tebentafuspが適応外となる患者層) に対し、 1次治療におけるPKC阻害薬darovasertib+クリゾチニブ併用 vs 担当医選択を比較した第Ⅲ相の主要結果。 ぶどう膜メラノーマはGNAQ/GNA11変異主導の希少癌で皮膚メラノーマとは生物学が異なり、 IO単剤・チェックポイント阻害薬の効果が乏しい。 tebentafuspはHLA-A2陽性例のみが適応で、 HLA-A2陰性例は依然として有効な全身療法が乏しいアンメットニーズ領域。 本試験で陽性結果が示されれば、 希少癌領域の標準治療を確立する歴史的データとなる。 PFS/OS/ORRに加え、 PKC阻害薬の用量制限毒性 (皮膚障害・消化器症状) の管理可能性が焦点。
リンパ節転移を有するメルケル細胞癌の補助療法として、 抗PD-L1抗体アベルマブ vs プラセボを評価した第Ⅲ相。 メルケル細胞癌は神経内分泌起源の極めて高悪性度な皮膚癌で、 リンパ節転移症例の再発率は高い一方、 標準的な術後補助療法は確立していなかった。 転移性メルケル細胞癌でIOの有効性は既に確立しているが、 補助療法でのIO上乗せが再発率を下げ得るかは未解明で、 DFS/OSの絶対リスク低下幅と免疫関連有害事象 (irAE) プロファイルが希少癌における補助IO導入の妥当性を決める。
根治切除後のメルケル細胞癌に対するペムブロリズマブ補助療法の第Ⅲ相updated outcomes (ECOG-ACRIN EA6174)。 同セッションのADAM試験 (アベルマブ) と並んで発表される、 メルケル細胞癌補助療法の決め手となる試験。 「メルケル細胞癌のアジュバントにはアベルマブとペムブロリズマブのどちらが優位か」 という現場の薬剤選択論点に対し、 両試験のDFS/OS/irAEプロファイルの直接的な比較材料が一気に揃う。 希少癌で複数のIOアジュバント試験が同時並行で結果報告されるのはまれで、 ASCO 2026の皮膚腫瘍領域における最大のハイライト。
今年のASCOは、 皮膚腫瘍領域として 「希少癌2疾患 (ぶどう膜メラノーマ・メルケル細胞癌) で第Ⅲ相LBAが3本揃う」 当たり年。 皮膚メラノーマでBRAF阻害薬・抗PD-1抗体を中心とした標準治療が成熟する一方、 希少癌のアンメットニーズに応える試験が並ぶ点が今回の特徴。
特に注目されるのは、 メルケル細胞癌の補助療法でアベルマブ (ADAM) とペムブロリズマブ (STAMP) が同セッション・同タイミングで結果報告されること。 希少癌で複数のPD-1/PD-L1抗体アジュバントが同時に第Ⅲ相エビデンスを示すのは異例で、 実臨床における薬剤選択 (PD-L1標的 vs PD-1標的、 投与スケジュール、 irAEプロファイル、 薬剤コスト) に直接的な判断材料を与える。 ぶどう膜メラノーマでも、 OptimUM-02でdarovasertib+クリゾチニブが標準治療を上回るデータを示せば、 HLA-A2陰性という 「tebentafusp適応外」 患者層の予後改善につながる。
ASCO 2026における皮膚腫瘍の注目演題は、 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科の中野英司先にご解説いただく予定です。

HOKUTOでは各演題のレポートを順次公開予定。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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