海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前
Martinらは、 50~69歳の男性を対象に、 単回の前立腺特異抗原 (PSA) 検診への招待が前立腺癌特異的死亡率に及ぼす影響を無作為化比較試験CAPの2次解析で検討した。 その結果、 PSA検診の招待により15年時点の前立腺癌特異的死亡率はわずかに減少した。 本研究は、 JAMA誌において発表された。
今回の研究結果のような結果の解釈が難しい場合にJAMAにはKey PointsのMeaningという項目があってそこにメッセージ性のある言葉が記載されていることがあります。 今回は本文の結論と同じ記載に限定されており、 結果の解釈は個人に任される形となっています。
CAP試験においては、 PSA検診の前立腺癌特異的死亡率に対する効果は、 中央値10年の追跡時点では認められなかったと報告されたが、 PSA検診の前立腺癌特異的死亡率に対する長期的な効果は依然として不明である。
イングランドおよびウェールズのプライマリ・ケア診療所573施設における50~69歳の男性 : 41万5,357例
15年追跡時点の前立腺癌特異的死亡率、 全死因死亡率、 診断時の前立腺癌の病期、 Gleasonスコア (GS)
率比 0.92 (同0.85-0.99、 p=0.03)
介入群では低悪性度 (GS 6以下、 2.2% vs 1.6%、 p<0.001) および限局性 (T1/T2、 3.6% vs 3.1%、 p<0.001) 疾患の検出率が高かったが、 中悪性度 (GS 7)、 高悪性度 (GS 8以上)、 局所進行 (T3)、 または遠位進行 (T4/N1/M1) 腫瘍の発見は検出率は高くなかった。
率比 0.97 (同0.94-1.01、 p=0.11)
著者らは、 「CAP試験の2次解析により、 単回のPSA検診による前立腺癌特異的死亡のわずかな減少が示された。 しかし介入による死亡の絶対的な減少は限定的であった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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