【NEJM】初期パーキンソン病患者へのデフェリプロン投与はMDS-UPDRSのスコア悪化と関連
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【NEJM】初期パーキンソン病患者へのデフェリプロン投与はMDS-UPDRSのスコア悪化と関連

【NEJM】初期パーキンソン病患者へのデフェリプロン投与はMDS-UPDRSのスコア悪化と関連
Devosらは、 新規診断のパーキンソン病患者を対象に、 鉄キレート剤デフェリプロンによる黒質中の鉄含有量減少が疾患進行に与える影響を多施設共同第Ⅱ相無作為二重盲検試験で検討。 その結果、 デフェリプロンの投与は、 プラセボと比較し、 疾患の進行やパーキンソン病評価尺度(MDS-UPDRS)のスコアの悪化と関連していた。 本研究は、 NEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Trial of デフェリプロン in Parkinson's Disease. N Engl J Med. 2022 Dec 1;387(22):2045-2055.PMID: 36449420

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

本研究を含め、 パーキンソン病の進行を抑制することができるはっきりとした効果を示した治療薬は現在のところ存在しません。 今後も道のりは大変ですが、 1つずつ研究を継続していく必要があります。

🔢関連コンテンツ

パーキンソン病診療ガイドライン2018

日本神経学会

背景

パーキンソン病患者の黒質では鉄分が増加しており、 その病態生理に関与している可能性がある。 初期の研究では、 鉄キレート剤であるデフェリプロンがパーキンソン病患者の黒質中の鉄含有量を減少させることが示唆されているが、 疾患の進行に対する効果は不明である。

研究デザイン

対象

新規診断のパーキンソン病患者で、 以下の群に1:1の割合で割り付けた。

  • デフェリプロン群:186名
デフェリプロン(体重1kgあたり15mg)を1日2回経口投与する群
  • プラセボ群:186名

ドパミン作動薬による治療は、症状コントロールのために必要と判断される場合を除き、差し控えた。

主要評価項目

36週間後のMDS-UPDRSの総得点の変化

副次的・探索的評価項目

運動障害と非運動障害の測定

MRIを用いた脳内鉄量測定

研究結果

症状の進行に伴うドパミン作動薬治療の開始

デフェリプロン群:22.0%

プラセボ群:2.7%

MDS-UPDRS総スコアの変化

デフェリプロン群:ベースライン34.3点→その後15.6点増加

プラセボ群:ベースライン33.2点→その後 6.3点増加

差:9.3点、 95%CI 6.3-12.2、 P<0.001

なお、 黒質線条体の鉄量は、プラセボ群よりもデフェリプロン群でより減少した。

安全性評価

デフェリプロンによる主な重篤な有害事象

無顆粒球症:2例

好中球減少症:3例

結論

レボドパの投与経験がなく、 ドパミン作動薬による治療が予定されていない初期のパーキンソン病患者において、 デフェリプロンはプラセボと比較して、 MDS-UPDRSのスコアの悪化と関連していた。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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