海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前
Chengらは、 限局型小細胞肺癌 (LS-SCLC) 患者を対象に、 化学放射線療法 (CRT) 後の地固め療法としてのデュルバルマブ投与が予後に及ぼす影響を第Ⅲ相二重盲検無作為化比較試験ADRIATICで検討した。 その結果、 デュルバルマブの投与はプラセボに比べ、 全生存期間 (OS) および無増悪生存期間 (PFS) を有意に延長した。 本研究は、 NEJM誌において発表された。
Limitationとしては、 サブグループ解析のための検出力がないことと、 黒人患者が少ないことを簡潔に述べています。
【ADRIATIC】LS-SCLCへのデュルバルマブ地固め療法でOS・PFS改善
オシメルチニブとデュルバルマブ、 CRT後肺癌への単剤地固め療法で承認申請
デュルバルマブは、 トレメリムマブを併用するか否かにかかわらず、 CRT後のLS-SCLC患者に対して有効である可能性が示唆されている。
本試験では、 CRT後に病勢進行 (PD)を認めなかったLS-SCLC患者に対する地固め療法として、 デュルバルマブ±トレメリムマブが評価された。
CRT後に進行しなかったLS-SCLC患者730例が、 以下の3群に無作為に割り付けられた。 各群とも4週ごと、 最長24ヵ月間投与された。
主要評価項目はOSおよびPFSとした。今回は最初の中間解析として、 2024年1月15日をカットオフ日とするデュルバルマブ群とプラセボ群の比較結果が報告された。
OS中央値、 PFS中央値のいずれにおいても、
デュルバルマブ群で有意に改善した。
OS中央値
HR 0.73、 98.321%CI 0.54-0.98、 p=0.01
PFS中央値
HR 0.76、 97.195%CI 0.59-0.98、 p=0.02
Grade3/4の有害事象はデュルバルマブ群で24.4%、 プラセボ群で24.2%であった。
有害事象により治療中止となった患者の割合はデュルバルマブ群で16.4%とプラセボ群で10.6%、 死亡に至った治療関連有害事象はデュルバルマブ群で2.7%、 プラセボ群で1.9%であった。
Grade3/4の肺炎/放射線肺炎は、 デュルバルマブ群の3.1%、 プラセボ群の2.6%に発生した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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