海外ジャーナルクラブ
1年前
Martínez-Garcíaらは、 気管支拡張症患者を対象に、 血中好酸球数 (BEC) と気管支拡張症の重症度、 増悪の回数と重症度、 吸入ステロイド (IC) 治療の関係をSpanish Bronchiectasis Registryに由来する多施設前向き観察研究で検討。 その結果、 BECと重症度、 増悪度の間にU字型関係が認められ、 IC治療は好酸球増多群に対してのみ増悪の回数と重症度を減少させた。 本研究はChest誌において発表された。
好酸球数と重症度にU字型の関連がある、 という報告ですが、 バイタルサイン、 バイオマーカーなどは基本的には、 直線的な関係よりもJ字ないしU字の関連が存在することが多いです。 血糖値、 呼吸数の解析でもそうですが、 下限の設定をきちんと行うことが解析の成功への道となります。
BECと喘息およびCOPDの重症度との関係は証明されているが、 気管支拡張症との関係は十分に確立されていない。
気管支拡張症でありBECが判明している患者。
患者のBECに基づき以下の4グループに分けられた。
BECは、 重症度、 増悪、 肺機能、 微生物学的プロファイル、 IC治療と有意なU字型の関係を示し、 好酸球減少群の方がその傾向が顕著であった。
IC治療は、 300個以上の好酸球/μLを有する好酸球増多群においてのみ、 増悪の回数と重症度を有意に減少させた。
BECと気管支拡張症の重症度・増悪度との間に有意なU字型関係が認められ、 好酸球減少群でより顕著であった。 IC治療により、 好酸球増多群のみ増悪の回数と重症度が減少した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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