海外ジャーナルクラブ
1ヶ月前

D’Aliseらは、 リンチ症候群 (LS) キャリアを対象に、 癌予防を目的としたネオ抗原ワクチンNous-209の安全性および免疫原性を第Ⅰb/Ⅱ相単群試験のコホート1で検討した。 その結果、 Nous-209は管理可能な安全性プロファイルを示し、 強力かつ持続的なネオ抗原特異的T細胞免疫応答を誘導した。 本研究はNat Med誌において発表された。
本研究は安全性および免疫原性に関する重要なシグナルを示しましたが、 Nous-209がLSにおける癌発症を抑制する臨床的有効性を評価するには、 大規模な無作為化試験が不可欠です。
LSは約300人に1人が罹患する代表的な遺伝性腫瘍症候群であり、 生涯癌リスクは最大80%に達する。 DNAミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列変異により、 マイクロサテライト不安定性 (MSI) が生じ、 腫瘍間で共有される変異が蓄積する。 これらの変異がコード領域で起こるとフレームシフトペプチド (FSP) が生成される。
Nous-209はMSI腫瘍に共通する209種類のFSPを標的とし、 類人猿アデノウイルスと改変ワクシニアウイルスアンカラを用いた異種プライムブースト型のネオ抗原ワクチンである。
LSキャリア45例を対象に、 癌予防を目的としたネオ抗原ワクチンNous-209の安全性および免疫原性を第Ⅰb/Ⅱ相単群試験のコホート1で検討した。
主要評価項目は安全性および免疫原性であった。
ワクチン接種は安全であり、 介入関連の重篤な有害事象 (AE) は認められなかった。 特に頻度の高いAEは注射部位反応 (プライム接種後91%、 ブースター接種後76%で全Grade発現、 Grade3の発現はなし)、 疲労 (プライム接種後80%、 ブースター接種後53%で全Grade発現、 プライム/ブースター後4%でGrade3発現) であった。
評価可能な参加者37例の全例でワクチン接種後にネオ抗原特異的免疫応答が認められ、 強力なT細胞免疫が誘導された (ピーク時の平均応答は末梢血単核球100万個あたり約1,100個のインターフェロン-γスポット形成細胞)。 免疫応答は持続性を示し、 参加者の85%で1年後も検出可能であった。 さらに、 複数のFSPを認識するCD8+およびCD4+T細胞が誘導された。
ペプチド‐ヒト白血球抗原予測により、 100を超える免疫原性FSPが同定され、 in vitroで細胞傷害活性が実証された。 免疫原性FSPは、 LS MSI大腸癌の前癌病変および癌の独立したデータセットでも確認された。
著者らは 「本研究の結果は、 Nous-209がLSにおけるネオ抗原に対する免疫を効率的に刺激する能力を示唆しており、 癌予防に向けた開発を支持するものである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。