【心不全】ダパグリフロジンはフレイルを有する症候性心不全患者にも有効 (Ann Intern Med)
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3年前

【心不全】ダパグリフロジンはフレイルを有する症候性心不全患者にも有効 (Ann Intern Med)

【心不全】ダパグリフロジンはフレイルを有する症候性心不全患者にも有効 (Ann Intern Med)
Butt JHらは, 症候性心不全患者を対象に, SGLT-2阻害薬のダパグリフロジン(商品名 フォシーガ®) の有効性をフレイルの状態に応じた層別化をもとに検証. 結果、 フレイルの有無に関係なく心不全増悪または心血管死を減少させたが, フレイルの傾向が高い群においてその効果が大きかった. 本研究はAnn Intern Med誌において報告された.

研究デザイン

  • DAPA-HF試験のポストホック解析である.
  • LVEF≦40%ANP高値症候性心不全患者.
  • ガイドラインで推奨されている治療法に以下のいずれかを追加した.
  1. ダパグリフロジン群 (10mg1日1回)
  2. プラセボ群
  • Rockwoodの欠損累積モデルを用いてFrailty Index (フレイル指数: 以下FI) を算出し, 各群ごとのダパグリフロジンの有効性を検討.
  • 主要評価項目は心不全増悪または心血管死.

研究結果

  • DAPA-HF試験の対象者4744名のうち、 FIが算出できたのは4742名であった.
  • クラス1 (FI≤0.210 フレイルではない) : 2392名
  • クラス2 (FI 0.211〜0.310 中等度フレイル) : 1606名
  • クラス3 (FI≥0.311 高度フレイル) : 744名
  • ダパグリフロジンは, FIにかかわらず, 心不全の悪化や心血管死のリスクを減少させた.
  • ダパグリフロジンとプラセボの100人/年当たりのイベント発生率の差は以下の通りで、 フレイルの傾向が高いほど大きな差がみられた.
  • クラス1:-3.5% (95%CI, -5.7~-1.2)
  • クラス2:-3.6% (CI, -6.6~-0.5)
  • クラス3:-7.9% (CI, -13.9~-1.9)
  • 他の臨床イベントや健康状態についても一貫した効果が観察されたが, 絶対的な減少はフレイルの傾向が高い患者においてより大きかった.
  • 試験薬の中断や重篤な有害事象は, FIクラスにかかわらず, ダパグリフロジンの方がプラセボより少なかった.

原著

Butt JH, et al. Efficacy and Safety of Dapagliflozin According to Frailty in Heart Failure With Reduced Ejection Fraction : A Post Hoc Analysis of the DAPA-HF Trial. Ann Intern Med. 2022 Apr 26. doi: 10.7326/M21-4776. PMID: 35467935

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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