HOKUTO編集部
1年前
未治療のEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象に第三世代EGFR阻害薬オシメルチニブと化学療法の併用療法の有効性および安全性について、 現在の標準療法であるオシメルチニブ単剤を対照として比較検討した第Ⅲ相ランダム化比較試験FLAURA2の結果から、 PFSの大幅な改善が示された。 一方で、 全生存期間 (OS) については、 両群に差は認められなかった。 米・Dana-Farber Cancer InstituteのProf Pasi A. Jänne氏が発表した。
未治療のEGFR変異陽性進行NSCLCに対するオシメルチニブ+化学療法の併用療法の有効性については、 日本人患者を対象とした第Ⅱ相試験OPALの結果から、 全奏効率 (ORR) が90.9% (95%CI 84.0 -97.8%) かつ無増悪生存期間 (PFS) 中央値が31.0カ月 (95%CI 26.8カ月-NC) と良好な結果が示されている。 ただし、 同併用療法については、 ランダム化比較試験では検証されていなかった。
局所進行 (IIIB~IIIC期) または転移性 (IV期) のEGFR遺伝子変異陽性NSCLCで
-などの適格基準を満たした患者。
安定性の脳転移 (CNS) 例は許容された。
557例が1:1で無作為に割り付けられた。
両群間で同様。 年齢中央値は61~62歳、 人種は中国アジア人/非中国アジア人/非アジア人は25%/38〜39%/35~36%、 扁平上皮がんは96~97%、 Del19/L858Rは60~61%/38%、 CNS転移ありは40~42%だった。
HR 0.62 (95%CI 0.49-0.79)、 p<0.0001
HR 0.62 (95%CI 0.48-0.80)、 p=0.0002
PFSのサブグループ解析においても、 併用群における優位性が一貫して認められた
PFS2およびOSについては、 今回の中間解析ではimmatureであったものの、 両群の生存曲線のカーブは試験開始後12〜15カ月くらいのところでクロスしていた。
PFS2 (maturity:34%)
新たな安全性の懸念は認められなかった。 併用群の15%に認められた主なグレード3/4の有害事象のうち、 グレード4のものはすべて血液毒性であり、 いずれも化学療法に関連するとされている既報のものであった。
オシメルチニブ+化学療法は、 EGFR遺伝子変異陽性の1次治療における新たな治療選択肢となり得る。 今後は、 CNS転移および病勢進行例、 後治療、 ctDNA解析などについても解析予定である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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