海外ジャーナルクラブ
5ヶ月前

Holsteらは、 心エコー解釈自動化AIシステムPanEchoの診断およびパラメータ推定における精度を、 120万件のエコー動画を基に検証した。 その結果、 PanEchoは、完全もしくは限定的なエコー検査においても高い精度を発揮し、 今後、 心エコー検査における補助的読影ツールあるいは、 ベッドサイドでのスクリーニングツールとしての可能性を示した。 試験結果はJAMA誌に発表された。
本文中では慎重な表現が用いられているものの、本研究がJAMAに掲載された事実は、AIによる心エコー画像の自動解析が今後政策レベルでますます臨床応用へと進展していくことを示唆しています。
心エコーは心血管診療の基礎ともいえる検査手法であるが、 その読影は専門家が手動で行っている。 そこで、 心エコー読影の自動化に向け、 AIシステムPanEchoが開発された。 本研究では、 PanEchoが経胸壁心エコー (TTE) 検査における39項目の診断・推定タスクに対して正確な解釈が行えるかどうかを評価した。
PanEchoは、 Yale New Haven Health System (YNHHS) 関連医療機関の日常診療で得られたTTE検査データを用いて開発された。 開発後のモデルを、 YNHHSの異なるコホートで内部検証後、 4つの外部コホートでも検証した。
主要評価項目は、 診断分類タスクにおける曲線下面積 (AUC) およびパラメータ推定タスクにおける平均絶対誤差とし、 専門医による評価と比較した。
検証には、 YNHHS関連医療機関で実施されたTTE検査で得られた120万件のエコー動画を用いた。 その結果、PanEchoは、 18項目の診断分類タスクにおいてAUC中央値0.91 (四分位範囲0.88-0.93) と高い精度を発揮した。
21項目の心エコーパラメータ推定タスクにおいても、 正規化平均絶対誤差が中央値0.13 (四分位範囲0.10-0.18) と高い精度を発揮した。 具体的には、 左心室駆出率の推定では平均絶対誤差が内部検証で4.2%、 外部検証で4.5%であり、 中等度以上の左心室収縮機能障害 (AUC : 内部0.98、 外部0.99)、 右心室収縮機能障害 (AUC : 内部0.93、 外部0.94)、 重度の大動脈弁狭窄 (AUC : 内部0.98、 外部1.00) を正確に検出した。
限定的な画像でも優れた性能を維持し、 簡略化されたTTEコホートでの15項目の診断分類タスクにおいてAUC中央値 0.91 (四分位範囲0.87-0.94)、 YNHHS救急部門で取得されたベッドサイド画像では14項目のタスクにおいてAUC中央値 0.85 (四分位範囲0.77-0.87) を達成した。
著者らは、 「PanEchoは、 完全もしくは限定的なエコー検査に対して高い精度を発揮した。 今後、 臨床ワークフローにおける前向きな検証を経て、 心エコー検査における補助的な読影ツールもしくは、 ベッドサイドでのスクリーニングツールとして使用される可能性がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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