海外ジャーナルクラブ
2年前
Mentzらは、 心不全で入院した患者を対象に、 トラセミドがフロセミドと比較し、 退院後の死亡率を低下させるかを非盲検実用的無作為化試験で検討 (TRANSFORM-HF試験)。 その結果、 トラセミドとフロセミドの間には、 12カ月間の全死因死亡率に有意差がなかった。 本研究は、 JAMA誌において発表された。
本研究はPragmatic trialsということで対象患者群を出来るだけ制限せずに、 一般化可能性を高めたRCTデザインとなっています。
心不全において最もよく使用されるループ利尿薬はフロセミドであるが、 いくつかの研究ではトラセミドの有用性が示唆されている。
米国の60病院での心不全入院患者 2,859名
トラセミド群 1,431名
フロセミド群 1,428名
30カ月間の全死因死亡率
全死因死亡
無作為化後12カ月間の全死因死亡または理由を問わない入院
トラセミド群536名における総入院件数は940件、 フロセミド群577名における総入院件数は987件であった。
結果は、 駆出率低下、 軽度低下、 維持の患者を含む、 事前に指定されたサブグループ間においても同様であった。
心不全で入院後、 退院した患者におけるトラセミドとフロセミドの比較は、 12ヵ月間の全死因死亡に有意差を認めなかった。 しかし、 結果の解釈は、 フォローアップの喪失、 参加者のクロスオーバーや非アドヒアランスによって制限される。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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