HOKUTO編集部
1年前
EGFR遺伝子変異陽性の局所進行/転移性非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者の1次治療において、 amivantamab+lazertinibの併用療法の有効性および安全性について、 オシメルチニブ単剤を対照として比較検討した第Ⅲ相ランダム化比較試験MARIPOSAの結果から、 無増悪生存期間 (PFS) の有意な改善が示された。韓国・Yonsei Cancer CenterのByoung Chul Cho氏が発表した。
EGFR遺伝子変異は、 非扁平上皮進行NSCLCの15%~50%に認められるが、 現在の標準治療であるEGFR-TKIのオシメルチニブは治療耐性と病勢進行が避けられない。 第Ⅰ相試験において、 EGFR-MET二重特異性抗体であるamivantamabと第三世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬であるlazertinibの併用療法が、 有望な抗腫瘍活性を示した。
EGFR遺伝子変異陽性の局所進行性または転移性のNSCLC患者で、 以下の適格基準を満たす患者
1,074例を以下の3群に2:2:1で割り付けた。
主要評価項目
副次評価項目
amivantamab+lazertinib群とオシメルチニブ群の比較における
amivantamab+lazertinib群 vs オシメルチニブ群
HR 0.70 (95%CI 0.58-0.85)、 p<0.001
脳転移の有無別を含めたいずれのサブグループにおいても、 amivantamab+lazertinib群でのオシメルチニブ群に対する優位性が認められた。
脳転移あり
HR 0.69 (95%CI 0.53–0.92)
脳転移なし
HR 0.69 (95%CI 0.53–0.89)
OSについては、 中央値22.0ヵ月の追跡期間における中間解析の結果が報告された。
amivantamab+lazertinib群 vs オシメルチニブ群
HR 0.80 (95%CI 0.61-1.05)、 p=0.11
PFS2については、 データはimmatureであり、 早期の結果が示された。
amivantamab+lazertinib群 vs オシメルチニブ群
HR 0.75 (95%CI 0.58-0.98)
amivantamab+lazertinib群では静脈血栓塞栓症の発生率が高かった (37%) が、 ほとんどはGrade1~2であり、 Grade4~5の発生率は両群いずれも1%未満であった。
現在進行中のamivantamab+lazertinibの試験では、 治療開始後4ヵ月間は予防的抗凝固療法が推奨されている。
EGFR遺伝子変異陽性の局所進行性または転移性のNSCLC患者の1次治療において、 amivantamab+lazertinibの併用療法はオシメルチニブと比較し、 PFSを有意に改善することが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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