【JAMA Pediatr】小児の初発有熱性UTI、 2割に尿路異常を検出
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【JAMA Pediatr】小児の初発有熱性UTI、 2割に尿路異常を検出

【JAMA Pediatr】小児の初発有熱性UTI、 2割に尿路異常を検出
Yangらは、 小児の初発有熱性尿路感染症 (UTI) 後の腎超音波検査での尿路異常検出率を系統的レビューとメタ解析で検討。 その結果、 初発の有熱性尿路結石症の小児の4~5例に1例は腎超音波検査で尿路異常が検出され、 32例に1例は臨床管理を変更するような異常があることが示唆された。 本研究はJAMA Pediatr誌において発表された。

📘原著論文

Kidney Ultrasonography After First Febrile Urinary Tract Infection in Children: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA Pediatr. 2023 May 30;e231387. PMID: 37252727

👨‍⚕️監修医師のコメント

初発の有熱性UTIの小児の4~5例に1例は腎超音波検査で尿路異常が検出される、 というのは実臨床に活きる大切なメッセージです。


背景

UTI初発後の腎臓超音波検査の臨床的有用性については論争があり、 臨床診療ガイドラインの推奨もさまざまである。

研究デザイン

対象

腎超音波検査所見を報告した小児の初発熱性尿路結石症に関する研究

データソース:MEDLINE、 EMBASE、 CINAHL、 PsycINFO、 Cochrane Central Register of Controlled Trials

主要評価項目

腎超音波検査で検出された尿路異常および臨床的に重要な異常 (臨床管理を変更した異常) の有病率

副次評価項目

検出された尿路異常、 外科的介入、 医療利用、 および親が報告した転帰

研究結果

腎超音波検査で検出された異常の有病率

  • 全年齢:22.1% (95%CI 16.8-27.9、 I²= 98%、 29研究)
  • 生後24カ月未満:21.9% (95%CI 14.7-30.1、 I²= 98%、 15研究)

臨床的に重要な異常の有病率

  • 全年齢:3.1% (95%CI 0.3-8.1、 I²=96%、 8研究)
  • 生後24カ月未満:4.5% (95%CI 0.5-12.0、 I²=97%、 5研究)
  • 研究の採用バイアスは、 より高い異常有病率と関連していた。

最も多く検出された所見

最も多く検出された所見は、 水腎症、 骨盤拡張症、 拡張尿管であった。

尿路閉塞の発症率

尿路閉塞は0.4% (95%CI 0.1-0.8、 I²= 59%、 12研究) で確認され、 外科的介入は1.4% (95%CI 0.5-2.7、 I²= 85%、 13研究) で発生した。

結論

初発の有熱性UTIの小児の4~5例に1例は腎超音波検査で尿路異常が検出され、 32例に1例は臨床管理を変更するような異常があることが示唆された。 研究の異質性がかなりあり、 包括的な転帰測定が欠如していることから、 初発の有熱性UTI後の腎超音波検査の臨床的有用性を十分に評価するためには、 十分にデザインされた前向き縦断研究が必要である。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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