海外ジャーナルクラブ
16日前
Nowakらは、 全身性重症筋無力症に対してCD19陽性B細胞を標的とするイネビリズマブの有効性と安全性を検討した。 その結果、 イネビリズマブは全身性重症筋無力症患者の日常生活活動を有意に改善し、 重症度を軽減した。 試験結果はNEJM誌に発表された。
この試験を完了した患者は、 最長3年間イネビリズマブを投与するオープンラベル試験移行の選択肢が与えられるため、 長期アウトカムの結果も期待されます。
全身性重症筋無力症は筋力低下を主症状とする自己免疫疾患であり、 イネビリズマブは本疾患の症状発現に関与するCD19陽性B細胞をターゲットとしたモノクローナル抗体である。
この第III相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験では、 全身性重症筋無力症に対するイネビリズマブの有効性と安全性が評価された。
対象は、 抗アセチルコリン受容体抗体または抗筋特異的チロシンキナーゼ抗体 (抗MuSK抗体) を有する重症筋無力症患者238例であった。
患者をイネビリズマブ群とプラセボ群に均等に割り付け、 各治療薬を1日目と15日目に300mg静注投与、 アセチルコリン受容体抗体陽性患者には183日目にも追加投与した。 アセチルコリン受容体抗体陽性患者は52週間、 抗MuSK抗体陽性患者は26週間追跡した。
主要評価項目は、 重症筋無力症日常生活活動 (MG-ADL) スケールの26週時点のベースラインからの変化量であった。 副次評価項目では、 定量的重症筋無力症 (QMG) スケールのベースラインからの変化および安全性が評価された。
26週時点で、 イネビリズマブ群はプラセボ群に比較して、 MG-ADL尺度およびQMG尺度を有意に改善した。
イネビリズマブ群で生じた副作用は、 頭痛、 咳、 鼻咽頭炎、 点滴関連反応、 尿路感染症であり、 重篤な有害事象の増加しなかった。
著者らは 「イネビリズマブは、 アセチルコリン受容体抗体陽性または筋特異的キナーゼ抗体陽性の全身性重症筋無力症患者の機能を改善し、 重症度を軽減した」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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