【JAMA】特発性肺線維症へのpamrevlumab、主要評価項目を達成せず
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海外ジャーナルクラブ

5ヶ月前

【JAMA】特発性肺線維症へのpamrevlumab、主要評価項目を達成せず

【JAMA】特発性肺線維症へのpamrevlumab、主要評価項目を達成せず
Raghuらは、 特発性肺線維症 (IPF) 患者を対象に、 抗CTGFモノクローナル抗体pamrevlumabの有効性および安全性を第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照無作為化試験ZEPHYRUS-1で検討した。 その結果、 pamrevlumabはプラセボと比較し、 主要評価項目 (ベースラインから48週時点の努力肺活量 [FVC] の絶対変化量) において有意な改善を示さなかった。 本研究は、 JAMA誌において発表された。

📘原著論文

pamrevlumab for Idiopathic Pulmonary Fibrosis: The ZEPHYRUS-1 Randomized Clinical Trial. JAMA. 2024 May 19. PMID: 38762797

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

第Ⅱ相試験の時よりも対象患者の重症度が上がってしまったとのことですが、 やはり薬の効果を見る際に患者の重症度は極めて重要な因子であると言えます。 単に無作為化試験で薬の効果を否定するのではなく、 薬が効く群を見つけ出すのが臨床医の仕事と言えるでしょう。

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第Ⅱ相では重大有害事象は認めず

IPFに対する現在の治療法は肺機能の低下速度を遅らせるが、 服薬アドヒアランスに影響を及ぼす有害事象を伴う可能性がある。 第Ⅱ相試験では、 pamrevlumabがIPFの進行を抑制し、 重大な有害事象は認められなかった。

主要評価は48週時FVCのベースラインからの絶対変化量

対象

登録時点にニンテダニブまたはピルフェニドンによる抗線維化治療を受けていない40~85歳のIPF患者 : 356例

介入

患者は以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けられた。

  • pamrevlumab群 : 181例
pamrevlumab 30mg/kgを3週ごとに48週間静脈内投与
  • プラセボ群 : 175例

主要評価項目

48週時点における努力肺活量 (FVC) のベースラインからの絶対変化量

副次評価項目

  • 疾患進行までの期間
  • 複合臨床アウトカムまでの期間
  • 48週時点の定量的肺線維化容積のベースラインからの変化
  • IPFの初回急性増悪までの期間
  • 全死因死亡までの期間
  • 呼吸器疾患による初回入院までの期間
  • 有害事象

FVC変化量に両群間で有意差なし

有効性評価

主要評価項目

ベースラインから48週時点までのFVCの二乗平均変化量に両群間で有意差は認められなかった。

  • pamrevlumab群 : -260mL
95%CI -350~-170mL 
  • プラセボ群 : -330mL
同-430~-230mL
群間差 : 70mL (同-60-190mL、 p=0.29)

副次評価項目

いずれも有意な群間差は認められなかった。

安全性評価

有害事象の発現率

  • pamrevlumab群 : 88.4%
181例中160例
  • プラセボ群 : 86.3%
175例中151例

重篤な有害事象

  • pamrevlumab群 : 28.2%
181例中51例 
  • プラセボ群 : 34.3%
175例中60例 

死亡

各群において23例報告された。

  • pamrevlumab群 : 12.7%
  • プラセボ群 : 13.1%

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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