HOKUTO編集部
12ヶ月前
本コンテンツはNational Comprehensive Cancer Network (NCCN) のガイドラインについて、 専門医の視点からわかりやすい解説を行う企画です。 最新の情報が紹介されておりますので、 是非とも臨床の参考としていただければ幸いです。
推奨レジメンとしては色々なレジメンが記載されているが、 study group毎に異なったレジメンを用いてきた歴史があり、 そのレジメンが記載されている。 多くはCHOP (シクロホスファミド、 ドキソルビシン、 ビンクリスチン、 プレドニゾロン) -basedのレジメンを若干強化したレジメンとシタラビンを組み込んだレジメンを交互に行うというものであるが、 CHOP-basedの代わりにベンダムスチン+リツキシマブ (BR療法) を用いるものも有効性が高く忍容性も高いということでこちらに記載されている。 本邦のJCOGからの報告も最近論文で発表されている。
また、 TRIANGLEレジメンはまだ論文報告はないが、 米国血液学会 (ASH) での報告で有望なデータが示されているということもあり記載されている。 ただ、 こちらについてはもう少しデータの詳細を検討する必要があるのではと個人的には考えている。
実際にはBR療法が用いられることが多いと考えられるが、 当院ではRBAC500を高齢者の中でも通常化学療法が耐えられそうな例では使うこともある。 最近SHINE studyでイブルチニブをBR療法に上乗せすることのメリットも示されており、 ここでは記載がないが、 今後はこちらに入ってくる可能性がある。
マントル細胞リンパ腫はメリットの若干のバラツキや全てのレジメンで評価されていない等の問題はあるものの、リツキシマブ維持療法のメリットが比較的示されている疾患である。
コロナ禍では適応を慎重に選択されている施設もあるものと考えられる。 維持療法についても既にTRIANGLEレジメンのデータが採用されているようであるが、 特に維持療法についてはもう少し長いフォローアップのデータでの確認が必要と考えられる。
BTK阻害剤などを中心にさまざまな薬剤が推奨されているが、 今後BTK阻害剤が初回治療で用いられ維持療法にも組み込まれてくるとなると、 再発時の治療の選択の仕方も変わってくるものと予想される。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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