海外ジャーナルクラブ
12ヶ月前
尾瀬氏らは、 アジア人を対象に肥満と胆道癌 (BTC) の関連について、 アジア人を対象とした集団のコホート研究におけるデータのプール解析によって検討した。 その結果、 体格指数 (BMI) とBTCの発症率および死亡率の関連が認められた。 本研究はInt J Cancer誌において発表された。
WHOの肥満基準がBMI30以上に対して日本では25以上を採用しているため、 BMIを基準にした研究では必ずこの部分で欧米のトップジャーナルから厳しい評価を受けることがあります。 BMI30以上と胆道癌との関連も気になるところです。
体脂肪はBTCにおけるリスク因子である可能性が高く、 かつ胆石症における確立された危険因子である。 しかし、 BMIとBTCの関連については、 これまでの研究では胆石症の影響が十分に考慮されていなかった。
アジアコホートコンソーシアムに参加する21のコホート研究より : 計90万5,530人
対象をBMI値に基づき以下4群に分類した。
BMIとBTC死亡率および発症率の関連
BMIと胆石症の関連性
正常BMI群と比較して高BMI群はBTC死亡率との関連が認められた。
HR(95%CI)
BTCリスクにおいて、 BMIと胆石症は有意な相互作用を示した。
BMIとBTCリスクについて、 女性では直接および胆石症を介した関連が認められたが、 男性では関連は明らかではなかった。
胆石症がある場合、 男女ともにBMIとBTC死亡率は関連しなかった。 一方、 胆石症のない女性では、 BMIとBTC死亡率は関連していた。
アジア人においては、 BMIがBTC死亡率と関連しており、 特に胆石症は両者の関連に影響を与えている。 さらに、 肥満は胆石症の有無にかかわらずBTC発症リスクを高める可能性がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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