海外ジャーナルクラブ
1ヶ月前
Vermeireらは、 中等症ないし重症活動性クローン病患者を対象に、 フィルゴチニブの有効性と安全性を第III相二重盲検プラセボ対照無作為化比較試験で検討した*。 主要評価項目は、 10週目のPRO2臨床的寛解**および内視鏡的奏効 (導入試験) と58週目のPRO2臨床的寛解および内視鏡的奏効 (維持試験) とした。 その結果、 フィルゴチニブ200mgは、 10週目の臨床的寛解および内視鏡的奏効は達成しなかったものの、 58週目ではプラセボとの比較で有意差が認められた。
10週目の結果 (導入試験) は以下の通り
臨床的寛解
導入試験A (試験開始前の生物学的製剤使用歴あり) : フィルゴチニブ200mg群32.9% vs プラセボ群25.7% (差6.9%、 95%CI -1.4~15.2、 p=0.0963)
導入試験B (試験開始前の生物学的製剤使用歴なし) : フィルゴチニブ200mg群29.7% vs プラセボ群17.9% (差11.9%、 95%CI 3.7~20.2、 p=0.0039)
内視鏡的奏効
導入試験A・Bともに有意差なし
58週目の結果 (維持試験) の結果は以下の通りであった。
臨床的寛解
フィルゴチニブ200mg群43.8% vs プラセボ群26.4% (差16.8%、 95%CI 2.0~31.6、 p=0.0382)。
内視鏡的奏効
フィルゴチニブ200mg群30.4% vs プラセボ群9.4% (差20.6%、 95%CI 8.2~33.1、 p=0.0038)。
プラセボ群の臨床的寛解が25%を超える特殊な状況においてもしっかりと有意差を持って有効性を示しています。 事前の設定でもプラセボ効果を20%と設定しており、 適切な予測のもとサンプルサイズが計算されています。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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