海外ジャーナルクラブ
2年前
de Massonらは、 進行性皮膚T細胞リンパ腫 (CTCL) の患者を対象に、 同種造血幹細胞移植 (HSCT) の効果を前向き多施設マッチドコントロール試験で検討しました。 その結果、 HSCTは、 進行期CTCLの患者における無増悪生存期間 (PFS) の有意な延長と関連していた。 本研究はLancet誌において発表されました。
フランスからの臨床転帰改善につながる大変興味深い研究結果がこのところさまざまな領域で散見されます。 進行期においてPFSが中央値で6カ月間延長されることは大変意義のある治療だと思います。 N数の少なさやheterogeneityの強さはlimitationですが、 positive impactの方が強いです。
PIT (Prognostic Index for PTCL-U)
NK Prognostic Index from JAPAN
進行期のCTCLは、 まれな疾患であり、 通常は難治性で、 致命的な疾患である。 症例報告では、 HSCTが進行期CTCLの予後を改善する可能性が示唆されている。
進行期のCTCLで菌状息肉症またはセザリー症候群を有し、 少なくとも1つの予後不良基準を有する8~70歳の参加者。
適合血縁ドナーがいる場合はHSCT、 いない場合は非同種造血幹細胞療法を実施。
マッチングされたintention-to-treat集団におけるPFS。
HSCT群の78% (55例中40例) に101件、 非HSCT群の67% (44例中29例) に70件の重篤な有害事象が発生した。
移植片対宿主病以外の重篤な有害事象で両群に最も多かったのは感染症で、 HSCT群では59% (55例中30例)、 非HSCT群では44% (44例中19例) に発生した。
HSCTは、 進行期CTCLの参加者におけるPFSの有意な延長と関連していた。 これらの結果は、 移植前の疾患寛解を達成した高リスクの進行期菌状息肉症またはセザリー症候群の患者にHSCTを利用できるようにすべきであることを示している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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