【BMJ】高リスクCOVID-19、モルヌピラビルで急性期後遺症のリスク低減
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【BMJ】高リスクCOVID-19、モルヌピラビルで急性期後遺症のリスク低減

【BMJ】高リスクCOVID-19、モルヌピラビルで急性期後遺症のリスク低減
Xieらは、 新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) に感染し、 重症COVID-19に進行する危険因子を少なくとも1つ有する患者を対象に、 感染後5日以内のモルヌピラビルによる治療が急性期以降の有害な健康アウトカムのリスク低減と関連するかをコホート研究で検討。 その結果、 モルヌピラビル使用が急性期後遺症 (PASC) のリスク低減と関連していることが明らかとなった。 本研究はBMJ誌において発表された。

📘原著論文

Molnupiravir and risk of post-acute sequelae of covid-19: cohort study.BMJ. 2023 Apr 25;381:e074572.PMID: 37161995

👨‍⚕️監修医師のコメント

急性期後遺症となると、 我々としては女性を多く含んだ研究結果を知りたいのですが、 今回の場合女性は8%しか含まれていません。 またサブグループ解析結果では、 女性に限定すると有意な差を示していません。 この部分は本研究のlimitationとして指摘されます。

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4C mortalityスコア

COVID-19入院患者の予後予測スコア

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抗SARSコロナウイルス2 (SARS−CoV−2) 薬 > RNAポリメラーゼ阻害薬

研究デザイン

対象

新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) に感染し、 重症COVID-19に進行する危険因子を少なくとも1つ有する患者で、 陽性判定後30日間生存した22万9,286例。

介入

  • モルヌピラビル群:1万1,472例
  • 無治療群:21万7,814例

主要評価項目

SARS-CoV-2のPASCの発症リスク、 急性期以降の死亡、 急性期以降の入院、 急性期以降の死亡・入院の複合。

研究結果

PASCのリスク低減

モルヌピラビル使用は、 PASCのリスク低減と関連していた。

  • RR 0.86、 95%CI 0.83-0.89
  • 180日後の絶対リスク低下:2.97% (95%CI 2.31-3.60%)

急性期以降の死亡リスク低下

  • HR 0.62 (95%CI 0.52-0.74)
  • 180日後の絶対リスク低下:0.87% (95%CI 0.62%-1.13%) 

急性期以降の入院リスク低下

  • HR 0.86 (95%CI 0.80~-0.93)
  • 180日後の絶対リスク低下:1.32% (95%CI 0.72%-1.92%)

PASCのリスクとの関連

モルヌピラビルは、 急性期以降の後遺症13項目のうち、 不整脈、 肺塞栓症、 深部静脈血栓症、 疲労・倦怠感、 肝疾患、 急性腎障害、 筋肉痛、 認知機能障害の8項目のリスク低減と関連していた。

ワクチン接種、 感染回数との関係

モルヌピラビルは、 COVID-19ワクチンを接種していない人、 1回または2回接種した人、 ブースター投与を受けた人、 SARS-CoV-2初感染および再感染者におけるPASCリスクの低減と関連していた。

結論

SARS-CoV-2感染者で、 重症COVID-19への進行の危険因子が少なくとも1つある場合、 無治療と比較して、 感染後5日以内のモルヌピラビルの使用は、 各種ワクチン接種者やSARS-CoV-2の初感染者、 再感染者におけるPASCリスクの低減と関連があった。 重症COVID-19への進行リスクが高い人では、 SARS-CoV-2感染後5日以内にモルヌピラビルを使用することが、 PASCのリスクを低減する有効なアプローチとなる可能性がある。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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