海外ジャーナルクラブ
2年前
Eichhorstは、 慢性リンパ性白血病 (CLL) の患者を対象に、 一次治療としてのベネトクラクス併用療法と免疫化学療法の有効性を非盲検第Ⅲ相試験で比較。 その結果、 CLL患者への一次治療として、 ベネトクラクス+抗CD20抗体オビヌツズマブの併用が免疫化学療法より優れた結果を示した。 本研究はNEJM誌において発表された。
CLLは欧米で患者数が多いため、 多くの研究成果が目まぐるしい勢いで報告されています。 感染症合併症とのバランスを見ながら3剤、 ないし2剤による治療が選択されそうです。 少し面白いのが、 本研究のp値は次のように定義されています。 P value of less than 0.025 was considered to indicate statistical significance.
進行したCLLの適合患者 (併存疾患の負担が少ない患者) に対する一次治療として、 ベネトクラクスと抗CD20抗体のランダム化比較試験が不足していた。
TP53異常のないCLLの適合患者:926例
患者を以下の4つの治療レジメンに無作為に割り付け。
15カ月目に末梢血のフローサイトメトリーで評価した検出不能な微小残存病変 (MRD) の陰性と無増悪生存期間 (PFS)
ベネトクラクス+オビヌツズマブ群 (86.5%、 97.5%CI 80.6-91.1%) 、 ベネトクラクス+オビヌツズマブ+イブルチニブ群(92. 2%、 97.5%CI 87.3-95.7%)においては免疫化学療法 (52.0%、 97.5%CI 44.4-59.5%、 両群比較のP<0.001) よりも有意に高かったが、 ベネトクラクス+リツキシマブ (57.0%、 97.5%CI 49.5-64.2%、 P=0.32) に比べ有意差はなかった。
ベネトクラクス-オビヌツズマブ-イブルチニブ群が最も高く90.5%、 化学免疫療法群で75.5%であった。
3年PFSはベネトクラクス+オビヌツズマブ群 (87.7%、 病勢進行または死亡のHR 0.42、 97.5%CI 0.26-0.68、 P<0.001) においても有意に高かったが、 ベネトクラクス+リツキシマブ群 (80.8%、 病勢進行または死亡のHR 0.79、 97.5%CI 0.53-1.18、 P=0.18) は高率なものの有意ではなかった。
化学免疫療法 (18.5%) およびベネトクラクス+オビヌツズマブ-イブルチニブ (21.2%) で、 ベネトクラクス+リツキシマブ (10.5%) およびベネトクラクス+オビヌツズマブ (13.2%) より多くみられた。
イブルチニブを併用または併用しないベネトクラクス+オビヌツズマブは、 CLLの適合患者における一次治療として免疫化学療法より優れていた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。