海外ジャーナルクラブ
1年前
Califanoらは、 低リスクのヒトパピローマウイルス(HPV)陽性中咽頭癌患者を対象に、 治療後の再発リスクおよび再発までのリードタイムを血漿と唾液中のHPV16 DNAアッセイを基に解析。 その結果、 血漿と唾液中のDNAアッセイを用いた再発予測の感度は65%、 特異度は87%であり、 再発までのリードタイムの中央値は19日であった。 本研究はJAMA Otolaryngol Head Neck Surg誌において発表された。
感度は65%、 特異度は87%ということですので、 単体ではなく他のマーカーなどとの組み合わせでより予測精度を高めることができれば実臨床での応用が可能となります。
頭頸部扁平上皮癌は致死率の高い癌であり、 HPVと関連することが多い。 最近の研究では、 唾液洗浄液および血漿中のHPV DNA検出が、 HPV陽性中咽頭癌の将来の診断に関連する因子として有望であることが示されている。 しかし、 標準化された臨床サーベイランスと組み合わせた前向き第Ⅲ相臨床試験において、 血漿および唾液中のHPV DNA検出値を再発リスクの定義に使用した報告はない。
低リスクのHPV陽性中咽頭癌患者:233例
治療後の血漿および唾液洗浄液中のHPV16 DNAの存在を定量的PCRにより測定
再発リスクおよびHPV16 DNA検出から再発までのリードタイムとの関連
血漿と唾液洗浄を併用したHPV16 DNAアッセイによる再発予測の感度と特異度はそれぞれ65%と87%だった。
検査陽性からイベント発生 (再発または死亡) までのリードタイムの中央値は19日 (範囲0-536日)、 平均 (SD) は122 (169.8) 日だった。
HPV陽性中咽頭癌の低リスク患者を対象とした前向き第Ⅲ相ランダム化比較試験において、 治療後の血漿および唾液洗浄液中のHPV DNAの存在が再発と関係することが示唆された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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